2022.11.16

林真理子は、なぜ「老害・暴走老人になりたくない」と心から思ったか? きっかけになった「有名人の名前」

林 真理子 プロフィール

理事長に就任した際のニュースを受けて、ネット上では「林真理子の野心もここまでくると清々しい」という声もあったそうです。しかし、この件に関しては野心ではなく使命感であり、運命だったと思っています。皇太子妃になる雅子さまに向けて曽野綾子さんが書いた「運命をお楽しみください」という言葉のように、「理事長になった運命を楽しもう」という気持ちでやっています。

ラッキーだったのは、就任する前に出した本が立て続けに売れていたこと。『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』とベストセラーを出せていたので、「作家で売れないから理事長やったんだ」と意地悪なことを言われなくてホッとしました。

寂聴先生と渡辺先生

人は年をとると外見だけではなく内面も変化していきます。よい方に変わっていくと、精神や人間性が成熟へと向かいます。

私の中で「成熟の完成型」として真っ先に思い浮かぶのが、2021年11月に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴先生です。人間は成熟しきると、大抵のことはどうでもよくなってくる。寂聴先生のように、いろんな人を受け入れ、いろんなことを許してあげるということは成熟の証だと思います。

寂聴先生の思い出はたくさんありますが、まだ昭和の時代、60代半ばだった先生が開かれたパーティーに、突然の婚約破棄が芸能ニュースで大騒ぎになった俳優さんの婚約者だった女性がやってきた時のことです。

いろいろと怪しい彼女のことを当時の私は嫌っていました。その俳優さんと出会ったきっかけにしても、たまたま楽屋に挨拶に行ったということでしたが、

「お芝居を観に行くだけのために、わざわざ振袖を着て行くわけないじゃん」

などと、よく悪口を言っていたものです。週刊誌も経歴詐称疑惑を特集したり、彼女は世間的にも札付き者のようになっていました。

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