週刊誌の対談というと、
「毎週、いろんな有名人と会えて楽しいですね」
「旬な人と話をするだけでお金がもらえて、うらやましいかぎり」
なんて言う人たちが必ずいます。なかなか理解してもらえないのですが、毎週のペースでやるとなると、対談の準備のための時間や労力、精神的な負担は本当に大変なものでした。

会話のしやすさという面では、たとえ初対面でも文化人の方が相手だと、お互いに時代感覚もわかっているし共通言語があるので少し気がラクなのですが、いちばん気をつかうのが若い芸能人の方々がゲストの時です。
想像してみてください。私との対談収録にやってきた売れっ子芸能人の彼や彼女は、まず間違いなく「このオバさん、誰?」という気持ちでいるはずです。マネージャーに言われるがまま対談収録の場にやって来た。そうしたら、妙に態度が大きい知らないオバさんに出迎えられる。彼らが内心思うことといったら、きっとこんな感じです。
「ライターのオバさんには何人も会ったけど、このオバさん、なんでこんなにエラそうなの?」
「どうしてこのオバさんと一緒に写真撮らないといけないわけ?」
そういう心情が手に取るようにわかるので、まず私は彼らに会うなり、好意をわかりやすくアピールして近づくことにしています。
「まあ、かわいい!なんて顔がちっちゃいの」
「テレビで見るよりも、さらにイケメンだね」
本心から言っていることではあるのですが、少し過剰なぐらい伝えないと、謎のオバさんは受け入れてもらえません。私は今まで数多くの芸能人の方々にお会いしてきたので、実は彼らの突出した外見力にもある程度の耐性は出来ています。しかし、そうした“美女慣れ”“イケメンずれ”は封印し、素朴な感動を伝えます。