ドイツはなぜ大国に成長したのか? 誕生秘話に迫る!

英雄オットー1世の物語
ドイツと聞いて何が思い浮かぶだろうか? サッカー、ビール、クリスマスマーケットなど豊かな文化的側面を持つドイツは、現在までに長く複雑な歴史をたどってきた。今回はその長い歴史の発端を探ってみよう。11月新刊『ドイツ誕生』から、一部抜粋してお届けする。

ドイツ帝国の変遷

オットー大帝とは誰か? 「ドイツを作った男」である。

とはいってもぴんと来ないだろう。そもそもオットーはドイツという国はおろか、ドイツという言葉すら存在していなかった十世紀の人物である。それがなぜ「ドイツを作った男」となるのか? それをこれから説明していこう。

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思えばドイツは第二次世界大戦後、ナチス・ドイツの犯した蛮行に対して何十年にもわたって謝罪を重ね、一方でヨーロッパ連合(EU)の拡充に邁進してきた。その結果、いまやドイツはEUの盟主におさまっている。さらに二十一世紀の現在、ヨーロッパにおいてドイツ経済は一人勝ちであると言ってよい。

この現状をみれば、ドイツは第二次世界大戦後、ひたすらに反省の意を示すと同時に勢力を伸ばし続け、最終的には再び「帝国」を復活させたと捉えることができる。現在の隆盛をみると、ドイツ第四帝国が樹立されたとも表現していいかもしれない。

むろん第四というからには、それ以前にもドイツ帝国があったはずである。直近でいえば、ナチス・ドイツが第三帝国にあたる。そして第二帝国は一八七一年、プロイセンを中心にしてドイツ再統一を果たしたドイツ帝国を指す。この第二帝国は一九一八年、第一次世界大戦の敗北により崩壊した。

さらに遡ったドイツ第一帝国は、いつの時代を指すのか。それこそが九六二年に発足し一八〇六年に終焉が宣言された神聖ローマ帝国である。その神聖ローマ帝国の初代皇帝というのが、他ならぬオットー大帝なのだ。