スーパーで最安値の買い物、娘の習い事を減らす…年収200〜300万円の「つらすぎる現実」

平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?

話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。

 

年収443万円の苦悩

国税庁が毎年発表する「民間給与実態統計調査」では、2021年の給与所得者の平均年収が443万円となっている。

これを多いと思うか少ないと思うかは、どこに住んでいるか、どんな仕事をしているかなどによって捉え方はさまざまだろう。

だが、中央値はもっと低く、年収200〜400万円という方が多いという実態が明らかになっている。

〈平均年収443万円というのは、あくまで平均値。中央値は思いのほか低い。年収の分布を見ると、最も多いのが「300万円超400万円以下」で、全体の17.4%を占めている。3番目に多いのが「200万円超300万円以下」の14.8%で、3人に1人が200万~400万円の間の収入となる。ここ何年も、その傾向は変わっていない〉(『年収443万円』より)

では、平均や中央値前後の年収での生活とはどんなものだろうか。

年収443万円』では「平均年収でもつらいよ」「平均年収以下はもっとつらいよ」と題して、11名の生活のディティールに迫っている。

第1部 平均年収でもつらいよ
■毎月10万円の赤字、何もできない「中流以下」を生きる
──神奈川県・須藤慎太郎(48歳)・会社員・年収520万円
■「私は下のほうで生きている」コンビニは行かず、クーラーもつけない生活
──東京都・米田美鈴(35歳)・自治体職員・年収348万円(世帯年収1000万円)
■不妊治療に対する経済的不安……「リーマン氷河期世代」の憂鬱
──北陸地方・吉川耕太(33歳)・電車運転士・年収450万円(世帯年収900万円)
■教育費がとにかく心配……昼食は500円以内、時給で働く正社員
──東京都・岡本由夏(44歳)・会社員・年収260万円(世帯年収1000万円)
■3人の子育てをしながら月13回夜勤をこなす看護師の激務
──北陸地方・山木晴久(42歳)・看護師・年収670万円(世帯年収1300万円)
■夫婦で手取り65万円、「ウーバーイーツ」の副業でちょっとした贅沢を実現
──東京都・葉山徹(41歳)・倉庫管理・年収660万円+副業(世帯年収約1500万円)

第2部 平均年収以下はもっとつらいよ
■月収9万円シングルマザー、永遠のような絶望を経験した先の「夢」
──東海地方・池田真紀(41歳)・秘書・年収120万円
■子どもに知的障害、借金地獄……マクドナルドにも行けない窮状
──北関東・田村理恵(38歳)・介護ヘルパー・年収48万円(世帯年収400万円)
■1個80円のたまねぎは買わない、子どもの習い事が悩みの種
──北海道・加藤香(29歳)・清掃員・年収180万円(世帯年収540万円)
■共働きでも収支トントン、賃金と仕事量が見合わない保育士
──東京都・川崎陽子(40歳)・保育士・年収300万円(世帯年収700万円)
■何もかも疲れた……認知症の母との地獄の日常を生きる非常勤講師
──埼玉県・松田彰人(56歳)・大学の非常勤講師・年収200万円

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