正社員なのに派遣より低給、「早く子どもを産んで」…世帯年収1000万でも意外と苦しい生活実態

平均年収443万円――これでは“普通”に暮らすことができない国になってしまった。ジャーナリストが取材してわかった「厳しすぎる現実」。

いま話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』から「東京都・岡本由夏さん(仮名)・44歳・会社員・年収260万円(世帯年収1000万円)」のエピソードを紹介する。

前回記事は『「世帯年収1000万円」でも節約…昼食は500円以内、時給で働く正社員の「苦労の連続」』はこちら!

「早く子どもを産んで」というプレッシャー

私は31歳で結婚しました。母は25歳で結婚していたので、それより5〜6年ほど遅かっただけですが、実家暮らしで古い価値観をもった親からの刷り込みがあったのでしょう。私も22歳で大学を卒業したら、2〜3年で結婚して出産なのかな、と思わされていた面もあります。父親が定年退職する前に結婚しなければ、と。

親から結婚をせかされ、やれ「晩婚だ」やれ「早く子どもを産んで」とプレッシャーをかけられ、そんな呪縛があったのかもしれません。

25歳で結婚してないし、子どもを産んでないから一人前ではない。結婚したから、早く子どもを産まなきゃ。そう思い込んで、妊活のために会社を辞めました。

私は遅く結婚したのだから、早く産まなきゃ。子宮の病気もあって、授からないのかと思うと、気持ちは焦りました。妊活のために仕事を辞めれば楽になるのかな、という気持ちがなかったといえば嘘になります。

妊活と仕事の両立を考えて派遣社員で働き始めると、3年が上限だと知りました。期限が来ればまた次の職場を探さなければならなくて、大変な働き方だと思いました。

派遣先が見つからない無職状態の時に妊娠が分かり、娘を出産すると、赤ちゃんと二人きりの生活。言葉の分かる大人と話すのは、宅配の業者やスーパーの店員とだけ。夫が帰ってくるまでは、つらい孤独な時間でした。

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