2022.12.16

いま「富士山」が噴火したら…その「ヤバすぎる威力」と「凄まじい影響範囲」

当時の火山灰が伝える宝永噴火の威力

旧暦の宝永四年十一月二十三日、ひと月前に起こった宝永地震の余波もおさまらぬまま、富士山が噴火しました。宝永の噴火(1707年12月16日)です。午前に噴煙がわき起こるかと思うと、間も無く軽石が降り注ぎ、夕刻には噴煙を通して火柱や火山雷の光が見えるようになりました。

近年、過去の災害を読み解き、来るべき災害に備える機運が高まっています。富士山は、これまで多くの噴火を繰り返してきましたが、この300年前の宝永噴火が、いまのところ“最新の噴火”です。この宝永の噴火から、わたしたちは何が学べるでしょうか? 

今回は、『富士山噴火と南海トラフ』の著者である鎌田 浩毅さんの解説で、顕著な被害を出したと考えられている火山灰を中心に、富士山噴火と降灰についてみてみたいと思います。

美しい形は、火山によってできた

富士山は何万年ものあいだ、火山灰を噴き上げたり、溶岩を噴出したり、火砕流を発生させたり、泥流を流したりと、さまざまなタイプの噴火を起こしている。富士山が「噴火のデパート」と呼ばれる所以だが、こうした噴火を続けた結果、現在のようにきれいな円錐形の成層火山となった。成層火山とは、山頂付近に急斜面を、山麓に広い裾野をもつ火山体である。溶岩や火山灰が次々に層を成して積もった結果、このような美しい形ができたのである。

日本の多くの地域で、類似の成層火山が「○○富士」と呼ばれている。北海道の羊蹄山(蝦夷富士)、青森県の岩木山(津軽富士)、鹿児島県の開聞岳(薩摩富士)などで、いずれも富士山同様、火山噴出物によって広い裾野が形成された。

日本一高い成層火山となった富士山は、過去に大きな噴火を数十回も繰り返している。その際には、火山灰や溶岩などさまざまな物質を火口から噴き出してきた。噴火による被害とは、とりもなおさず、これらの噴出物が人間にもたらすさまざまな被害である。

【写真】東京都新越しにみる富士山のシルエット東京都新越しにみる富士山のシルエット photo by gettyimages

そこで今回は、火山が噴出物のうち「火山灰」を中心に、どのような被害をもたらすのかをみていこう。