2022.11.18

食料安全保障を脅かす戦犯・アメリカがやっていることがヤバすぎる…輸出規制で他国民が死んだって構わない、その論理

食料自給率37%の危機(3)

「緑の革命」と地球環境破壊

1940年代から60年代にかけて、世界規模で「緑の革命」が進んだ。農業技術の進歩により、途上国で米や小麦など穀物の収穫量が爆発的に伸びたのだ。と同時に、化学肥料の大量使用による弊害もあらわれている。

この記事は短期集中連載の最終回です。第1回はこちらから

地球温暖化と気候変動による自然災害の増加も、食料安全保障を脅かす重要なファクターだ。

〈土にはたくさんの微生物がおり、その微生物を中心とした生態系がある。しかし、近代農業の普及により、化学肥料や農薬が多用されたことで、土壌の中の微生物が減少し、土の中の生態系が破壊されつつある。土の中の微生物が死滅してしまうと、生態系が崩れ、土壌の保水力が失われる。「ぱさぱさ」になった土は、少しの雨でも、簡単に流出してしまう。近年、大雨による洪水被害が拡大している背景には、こうした土壌の劣化問題があるとも言われている。

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いま、世界中で「土」が失われつつある。国連FAOの発表によると、世界の三分の一の表土は、すでに喪失しているという。また、いまも五秒ごとに、サッカー場程度の土が流出しており、二〇五〇年には世界の九〇パーセント以上の土壌が劣化してしまうという(東京大学非常勤講師の印鑰(いんやく)智哉氏の資料による)。〉『世界で最初に飢えるのは日本』118〜119ページ)

ますます増大する世界人口を支えるため、人類は食料を今よりもさらに増産しなければならない。水不足も喫緊の課題だ。

〈植物の根には、菌根菌と呼ばれる微生物が付着している。この菌根菌は、植物の根から炭水化物やアミノ酸を吸収し、窒素やリンなどの栄養分を、植物に供給している。化学肥料の多用によって、土壌の中の微生物が減ってしまうと、このシステムが崩れて、植物の根が張らなくなってしまう。本来、植物の根がしっかり張っていれば、少しの水でも植物がしっかり吸収してくれる。だが、植物の根が張らなくなると、土から水を吸収する力が弱くなる。そのため、現代農業では、以前よりも大量に水をまかなければならなくなっている。かつてよりも多くの水が必要になっており、その分、気候変動による渇水に弱くなっている。〉『世界で最初に飢えるのは日本』119〜120ページ)

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大