甚大な被害を出し、人間を嘲笑うかのように挑発…!最恐ヒグマ「OSO18」の捕獲が今年も困難である「深刻な理由」

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オソが忽然と姿を消した

オソを捕まえられなければ、町民に平穏な日常は戻ってこない。だが、その困難さを、地元の猟師は身をもって感じている。前出の後藤氏が語る。

「どこに姿を消したかわからない怪物をどうやって撃てばいいのか……。もとから人間よりも野生動物のほうが多い地域ですし、仮に目撃情報があっても猟友会員が現場へ到着するまで数十分はかかります。何とかしたい気持ちは強く持っているのですが、正直打つ手がないのです」

8月20日に厚岸町で被害を出したのを最後に、オソの居場所は掴めていない。忽然と姿を消している状態なのだ。前出のベテラン猟師が語る。

「道の研究機関から派遣された学者によると、今は標茶と厚岸の境目にある阿歴内という、森が深い地域で息を潜めている可能性が高いと言われています。しかし、私はそうは思いません。

用心深いオソは猟銃や箱罠の脅威を認知しているはずです。この二つから確実に身を隠せる場所が標茶には一ヵ所あります。それが釧路湿原です。国立公園に指定されているので、罠も設置できなければもちろん発砲もできません。人目につかない湿原で休息を取り、来年の放牧が始まる6月以降、また一気に大きな被害をもたらすのではないでしょうか」

広大な湿地帯である釧路湿原(Photo by GettyImages)広大な湿地帯である釧路湿原(Photo by GettyImages)
 

森にいるのか、湿原にいるのか。この夏から秋、5ヵ月にわたる追跡戦もむなしく、オソは荒野へと姿を消してしまった。

いつ再び姿を現すのかと、人間が不安に苛まれている間にも、オソは爪を研いでいるに違いない。

まもなく4年目を迎えるヒグマと人間の追跡戦に、終止符を打つことはできるのか。

「週刊現代」2022年11月19・26日号より

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