菓子パンで空腹をしのぎ、自暴自棄に…プロ野球で「戦力外通告」を受けた男たちの「後半生」

その日は突然訪れる。これからどうすればいいのか。どうすれば活躍できたのか。後悔は募るばかりだが、人生は続く。泥だらけになりながらも、プロ野球で戦った経験を誇りに生きる彼らの姿を追った。

順風満帆な人生だったのに

「来季、君とは契約しないから」

'09年10月3日、クラブハウスに呼び出された元横浜の古木克明(42歳)は、戦力外通告を受けたときの気持ちを、今も鮮明に覚えている。

「悔しかったですが、肩の荷が下りてホッとする気持ちもありました。当時の僕はホームランが持ち味だったのに、まったく打てなかった。試合に出たくないほど自信を失っていたんです」

古木といえば、松坂世代屈指のスラッガーだ。松坂大輔が決勝でノーヒットノーランを達成した'98年夏の甲子園。その大会で豊田大谷をベスト4に導いたのが古木だった。

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同年のドラフト1位で横浜に入団すると4年目には4番を任され、22本塁打を放つ。その後、ファッションモデルと結婚して1児をもうけるなど、順風満帆な人生を送っていた。

しかし、次第に出場機会が減って二軍に降格。オリックスに移籍後も状況は変わらず、プロ11年目の秋に戦力外通告を受けてしまう――。

年齢や過去の実績に関係なく、毎年100人以上の選手に突如告げられる非情の宣告。シーズンオフに消えた彼らは、その後どのような人生を辿っているのだろうか。

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