生まれ変わっても、私のもとに戻ってほしい

出会いからたった2週間でこの世を去ってしまった子猫に、「生まれ変わって、私のもとにまた戻って来てほしい」と願い、そんな小さな命を向き合いたくて動物の保護施設の職員となったtamtamさん。
tamtamさんは、施設やブリーダー犬舎の残酷すぎる実態の中で働きながら、保健所からの犬や猫の引き取り活動を続けた。そして4年ほど前からその様子をマンガに描いてインスタに投稿し始めると、フォロワーが増え続け、現在は4万6千人となった。この人気の投稿が今月1冊の本になって出版された。

その本が『たまさんちのホゴイヌ』(tamtam著/世界文化社)。公益財団法人の動物保護団体に勤務後、個人で「一時預かりボランティア」を続けるtamtamさんの活動をイラストで綴ったコミックエッセイだ。
tamtamさんは、自身に入る印税のすべてを保護活動に寄付することで、本を買ってくれた方々、活動を応援してくれる方々への感謝を伝えたいと書いている(2022年10月27日インスタ「tamasister@」より)。本は発売から1週間で重版が決まった。

『たまさんちのホゴイヌ』(tamtam著/世界文化社)

保健所と連携しながら、保護犬や猫の引き取り活動を続けるtamtamさんだが、以前施設で働いていた頃は、「保健所は怖いところ」と行くのを避けていたという。
tamtamさんの保健所に対する見方が大きく変化した理由は、#1「保健所は「犬を安楽死させるための場所」ではない…職員が犬たちに伝えていること」にてお伝えした。

 

#2では、怯えがひどく首輪をつけようとしただけでパニックを起こす保護犬「モカ」に、ボランティアの方から「一時預かり」の申し出があった。これまで誰が来ても、決してケージから出ようとしない犬。しかし命の期限はもう来ている。

『たまさんちのホゴイヌ』の中からモカとボランティアさんとの出会いを、tamtamさんのインタビューとともにお伝えする。