SNSに投稿する保護活動に共感の声
「保護」や「愛護」なんて聞くと、暗いイメージを持っている方がほとんどかもしれません。
でも知ってみると、実は楽しいこともたくさんあったりするのです。
これは長崎県の保健所「アニマルポート」と連携をしながら、個人で「保護活動」をしているtamtamさんの言葉だ。
保護活動とは、保健所に収容された犬や猫を引き取って、新しい家族を探して譲渡することをいう。tamtamさんは2016年頃から個人での保護活動を始め、そこで知ったことや経験したことをイラストにしてインスタグラムに投稿している。
その投稿は共感をよび、現在フォロワー数は4万6千人となった。この人気の投稿が今月1冊の本になって出版された。


それが『たまさんちのホゴイヌ』(tamtam著/世界文化社)だ。これは公益財団法人の動物保護団体に勤務後、個人で「一時預かりボランティア」を続けるtamtamさんの活動をイラストで綴ったコミックエッセイだ。
tamtamさんはこの本の印税のすべてを保護活動に寄付することで、本を買ってくれた方々、活動を応援してくれる方々への感謝を伝えたいと書いている(2022年10月27日インスタ「tamasister@」より)。本は発売から1週間で重版が決まった。
保健所と密に連携を取り、救える命は一匹も見逃すまいと精力的に活動するtamtamさんだが、以前施設で働いていた頃は、「保健所は怖いところ。見たくないし、行きたくない」と思っていたそうだ。それが今では保健所に行くと明るい気持ちで帰って来られる、という。
ここまでに、長崎県の保健所「アニマルポート」での出来事を通して、tamtamさんの保健所に対する見方がなぜ大きく変わったかについてお伝えしてきた。
保健所に収容されて以来、怯えがひどくケージから絶対に出てくることのなかった保護犬の「モカ」。そんなモカに里親は現れることなく、命の期限を迎えてしまった。だがそれを知ったボランティアのHさんが、一時預かりを申し出て家に迎え入れると、これまでのことなど嘘のように初日から家族みんなと仲良くできたという。
第1話「保健所は『平気で安楽死させるための場所』ではない…職員が犬たちに伝えていること」
第2話「人に怯え、決してケージから出なかった保護犬。このままでは命が…そこで起きた奇跡
第3話「保健所で人に怯え続けていた犬の「その後」…保健所の職員が思わず涙ぐんだ理由」

#4では、tamtamさんが今ではなじみの保健所「アニマルポート」を初めて訪れた日に、職員からある話を聞いたエピソードが描かれている。
tamtamさんが聞いた話とはどんな内容だったのだろうか。『たまさんちのホゴイヌ』のマンガ試し読みと、著者インタビューを併せてお届けする。