2022.11.18
# 細胞 # 遺伝子

ハチは足し算を学び、人間より先に「ゼロ」を認識していた!

魚は数をかぞえられるか(8)
すべての生きものは数をかぞえている。チンパンジーや犬だけじゃない。鳥も魚もネズミもライオンもイルカも数をかぞえ、アリもハチも計算し、セミは素数の周期を把握していた!!
言語をもたない生きものも、食べて繁殖して生存するために、数を認識し、かぞえている。いや、計算すらしているのだ――この大胆な仮説を、認知神経心理学の第一人者にして数的能力の遺伝について研究を続けてきたロンドン大学名誉教授が検証。そんな知的好奇心を駆り立てる1冊『魚は数をかぞえられるか?』から注目の章をピックアップ。

これまでに説明した、はるかに大きな脳を持つ生物にこなせる計数課題を、ハチもこなせるという証拠がますます増えている。(中略)

また、小さな「数」であれば、ハチは足し算と引き算もできる。ハチは色や紫外線にも敏感だ。ある調査では、色を使ってハチに足し算と引き算を教えた。刺激対象が黄色なら、ハチは1を引いた答えの刺激を見つけなくてはならない。たとえば、刺激が3個の黄色の正方形なら、ハチは2個の黄色の正方形のパネルを選ぶことで報酬がもらえる。一方、刺激が2個の青色の正方形なら、ハチは「2+1」個の青色の正方形のパネルを選ばなくてはならない。

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100回練習したハチは「足し算」をマスター

ハチはこのやや複雑な課題を学ぶために、若干試行を重ねなくてはならなかったが、30回試行をするとうまく選べるようになり、100回試行をしたあとはほぼ80パーセントの確率で正しい答えを出した。

ハチが単に青色を合図に量が多いほうを選び、黄色を合図に少ないほうを選んでいるのではなく、本当に足し算や引き算をしていると確認できるよい方法がある。

「2に1を足せ」という合図が出たときに、正解は3で不正解が4だ。ハチが単に見本より多くを選んでいるなら、3と同じくらい4を選ぶだろう。同じように、「3から1を引け」という合図が出たときに、ハチが正解の2か不正解の1を選ばなくてはならないとしよう。このときもハチが単に3より小さいものを選んでいるなら、1も同じくらい選ぶだろう。だが、ハチはそうしない。本当に正しい足し算と引き算の答えを選ぶのである。

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