ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象の“逆”
──エルニーニョ現象とセットで「ラニーニャ現象」という言葉もよく耳にします。
「ラニーニャ現象」は、エルニーニョ現象とは逆に、貿易風がいつもより強くなることで発生する現象です。貿易風が強くなると、温かい海水がより西側へと移動し、東側では冷たい海水がいつもよりたくさん湧き上がってきます(図2)。

積乱雲ができる場所も西へと移動し、各地の気圧配置に影響をおよぼします。ラニーニャ現象が起きると、エルニーニョ現象とは逆に、日本では夏は暑く、冬は寒くなる傾向があります。
今、ラニーニャ現象が起きている
──エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、それぞれどれくらいの頻度で発生するものなんですか?
だいたい3〜5年に一度ぐらいの間隔でそれぞれ発生しますが、きれいな周期があるわけではありません。また、一度発生すると1年ぐらいは続きます。
とくに大きなエルニーニョ現象が起きたあとは、その反動でラニーニャ現象が起きる傾向があります。エルニーニョ現象からふだんの状態に戻るときに、“戻りすぎて”そのままラニーニャ現象に入っていくんです。大きなエルニーニョ現象やラニーニャ現象でなければ、戻るときの反動もそれほど強くないため、かならず交互に起きるわけではありません。2年連続でエルニーニョ現象あるいはラニーニャ現象が発生することもよくあります。
ちなみに今は、2020年秋ごろに発生したラニーニャ現象が一時途切れながらも3年連続で起きています。