セックスレスで悩む夫婦
日本家族計画協会の2020年「ジャパン・セックスサーベイ」によると、「セックスしたいか」との問いに「良く思う」との回答は、男性で約4割(20代:42.0%、30代:37.8%、40代:43.0%)、女性は1割程度(20代:18.3%、30代:14.2%、40代:10.2%)という結果です。一方で、セックスレス状態の夫婦は51.9%になっており、この数字は年々高まっています。
セックスするかどうかは夫婦の自由です。ただ、夫婦間で「したい・したくない」と希望が食い違った状態になり、それが長引くと、離婚に至るケースも少なくありません。

実際にセックスが夫婦に必要かどうかはさておき、セックスレスが1年程度続くと離婚理由として認められることもあります。一方が「したい」場合は、決して軽く考えず、相手は誠実な対応を心がけましょう。
今回は、出産にともなう環境変化で長期のセックスレスになった夫婦の事例をお伝えします。ぜひ最後までお読み頂き、一つの教訓として役立てて頂ければ幸いです。
(個人の特定を防ぐため、内容は一部変更しています)
幸せな二人
加藤美和さん(仮名、〔以下同〕〕は、地方の大都市にある中小企業で営業として働く年収300万円の26歳女性です。彼女には、3歳年上の大手企業で働く彼氏、佐藤龍臣さんがいました。彼女から見て龍臣さんは、見た目も良く性格も穏やかで、そしてこの頃には年収も700万円程度あり、理想的な結婚相手の候補だったといいます。
この頃の美和さんは、周囲で少しずつ結婚する同僚や友人が出てきていたため、彼女たちの結婚報告を聞くたびに、「そろそろ私も結婚したいな…」と、結婚を夢見ていました。それに加えて、龍臣さんとの交際も2年ほどになっていたので、それも自然でしょうね。
交際二年目のクリスマス、彼女は彼からデートのお誘いを受けます。そして、いつもより少し良いお店で食事を終えた後、おもむろに彼からプロポーズをされました。
「僕と結婚してください!」
言葉は実にシンプルでしたが、薄々予感していた美和さんは、喜んでプロポーズを受け入れます。
こうして彼女は、26歳の時に龍臣さんと結ばれました。結婚後は互いの職場の中間あたりで賃貸マンションを借り、そこで新婚生活をスタートさせました。結婚後も龍臣さんは相変わらずで、毎日が本当に幸せだったのですが…一つだけ、彼女は早くも悩みを抱えるようになったそうです。