2022.11.24

今の彼がいなければ、たぶんいじめっ子を殺していた…42歳ASD女性が明かす「真っ暗」な心の内

秋山 謙一郎 プロフィール

マイルールが守られないとかんしゃくを起こす

発達障害の人、およびそのグレーゾーン、並びにそれらの人のパートナー(配偶者や恋人)らに過去取材した限りではあるが、概ね、発達障害の人に共通している特性として挙げられるのが、ひとつは、先のユミコさんの例にみられる「こだわり」だ。

このこだわりは日常の些細なことでのマイルールであったり、ルーティンであったりする。これが何らかの事情で崩れると、かんしゃくを起こす、他人に当たり散らす。

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ユミコさんの場合はこうだ。先でも触れた勤務先から自宅までの車の送迎では、「(ユミコさんの勤める)会社から歩いて3分の路上、横断歩道を渡った位置にピッタリ駐車」「(ユミコさんの退勤10分前にはかならず)LINEでのメール連絡」「車に乗ってから帰宅までの間、かならず決まった行きつけのコンビニエンスストアに寄りそこで曜日ごとに決めているスイーツを購入」という3つのマイルールがある。

食器洗いではコップ、小さな皿から大きなそれの順に。その後に炊飯器のカマ、最後に箸やスプーンだ。それぞれを洗う際のスポンジと洗剤の組み合わせが決まっている。ただし匂いが残る魚や油モノの料理だった際は、用いる洗剤を変え、決まった量の酢をふりかけなければならない。

洗濯モノを干す際も、ピンク色のハンガーには濃い目のトップス、黄色なら薄い目のそれ、青ならボトムス……といった具合に、徹底したマイルールが定めらている。

これらが何らかの事情で守られなかった場合、それがたとえユミコさんの都合によるものであっても、「とても気持ち悪く、丸一日、何事も手につかなくなる」(ユミコさん)という。そしてパートナー男性や自身の勤務先の同僚、目につく人すべてに八つ当たってしまう。

その八つ当たり方は、「気分悪いのでわたしの気が収まるまでとにかく(パートナー男性を)罵る」のだとか。その際には太っているというパートナー男性の容姿であったり、稼ぎ、給与の多寡、食事のマナー、食べ方といった躾の類にまでおよぶ。

ときには、「あんたの親は躾がなっていない」「親にきちんと教育されていない」とパートナー男性の親にまでその矛先が向く。

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