2022.11.24

今の彼がいなければ、たぶんいじめっ子を殺していた…42歳ASD女性が明かす「真っ暗」な心の内

秋山 謙一郎 プロフィール

みずからのスタンスは変えなかった

察するに実両親らの家族、パートナー男性、勤務先の同僚らも気が気ではないだろう。

なぜならば何らかの都合でユミコさんのマイルールが守らなかった、守れなかったならば、それはユミコさんにとっては、その理由の如何を問わず「周囲にいる人間のせい」(ユミコさん)だというからだ。

ある精神科医によると、発達障害の人は自尊心を傷つけてはならない。だから、たとえ家族やパートナーといった身近にいる人であっても、このユミコさんの例にみられるマイルールをやめてほしいとお願いしても、それは、「他人から意に沿わないことをやらされる」「屈服させられる」という解釈になるのだそうだ。

「だから本当にひとりで居るほうがいいんです。こんなわたしでも一緒に居たいといって、ずっと一緒に居てくれる人。そういう人こそが本当に縁ある人なんだと思います」

事実、ユミコさんは、過去、交際してきた歴代彼氏や元配偶者に対しても、みずからのスタンスを変えるようなことは決してしなかった。いや、できなかったのだという。

「自分のこだわりを出してはいけない。相手に思うことがあっても言ってはいけないことがある。頭ではわかります。でも、できないのです。家族でもパートナー(男性)でも、言いたくなったこと、それが言えなくなると、もうそれは自分ではなくなってしまうから」

なるほど、これでは素敵なパートナー男性もいて、きちんとした仕事を持っていても、その胸の内は「いつも真っ暗」だと話すのも頷ける。

PHOTO by iStock
 

そんなユミコさんが、今、世の発達障害に悩む人、そのパートナーのためにと、これまで彼女自身が悩み、傷ついたことを余すことなく語ってくれた。

(以下、語り)

もしかしたら自分も発達障害かと思ったのは、やはり今のパートナー男性との交際時からです。彼が言うにはわたしは「話をしていてどこかかみ合わない」「些細な事に傷つきやすい」と。それが今、世に出ている発達障害に関する書籍やweb記事を読むとピタリとあてはまるところがあって。だから精神科クリニック受診の切っ掛けは彼、パートナー男性ですね。

それまで自分でも生きづらい、どこか人と自分は違うという意識は当然ありましたよ。もちろん世に出ている発達障害に関する書籍とかweb記事とかも知ってはいました。

でも、「わたしとは関係のない話」だと思っていました。興味がなかったからでしょうね。もし「発達障害」というネーミングではなく、「生きづらさ特性」とか「他者との関係構築が苦手な症候群」とか、そういった紹介のされ方だと、わたしも興味をもってその分野の書籍なり記事なりを手に取ったと思います。

今、発達障害と医師から診断を受けて自分の生きづらさの原因がわかったのはよかったです。それでも日々、生きづらいという現実は変わりません。投薬治療を勧められていますが、それもね……。正直、ちょっと怖いところもあって。あまり気が進まないです。

(以上、語り。以下、本文)

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