2022.11.26
# ライフ

「この家にいたら自分は潰れてしまう」夫と義母のモラハラに苦しんだ主婦の「驚きの決断」

11月8日に内閣府男女共同参画局が発表した、2021年度分の「配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数等」によれば、相談件数は12万2478件。前年度より若干減ったとはいえ、ここ8年間はずっと10万件を越えている。相談にいたっていない件数も相当多いだろう。相談のうち97パーセントは女性からだ。

「夜逃げ」ならぬ「昼逃げ」「朝逃げ」という言葉をよく見聞きする。夫が出勤したあと、子どもを連れて逃げることだ。一体どんな状況に追い詰められた人が、「昼逃げ」を選んでしまうのか? ある女性の事例を紹介する。

結婚するまでは優しかった夫が……

「私も昼逃げしました」

そう言うのはタカコさん(38歳、仮名=以下同)だ。結婚して7年、夫と義母のモラハラに耐えてきたが、もう我慢できないと、5歳と1歳半の子を連れて逃げ出したのが1年前。つい最近、ようやく離婚が成立した。

「5歳年上の夫は同じ会社の先輩。29歳のときに私が異動した部署でのリーダーでした。仕事ができる人というのは噂で聞いていましたが、実際、上からは頼りにされ、下からは慕われていたように見えました。中には『ちょっと強引なやり方をする』という批判もありましたが、仕事ができる人に対するやっかみだと思っていました」

高校生のときに父を病気で亡くしたタカコさんにとって、夫はときに父のような存在だった。一方的に慕っているだけだと思っていたが、一緒に仕事をするようになって1年後にアプローチされ、短期間の交際で結婚に至った。

「あるとき身近にいていちばん信頼できるのがきみだと気づいた、と言われたときはうれしかった。でも今思えば、いちばん言いなりになるのが私だと思ったのかもしれません」

つきあっているときは優しかった夫だが、結婚を決めてから少しずつ変わっていった。

Photo by iStock
 

プロポーズを受け入れると、同じ会社で働くのは嫌だから、とりあえず退職してほしい、家庭が落ち着いたら家事に支障のない範囲で別の会社で仕事をしてほしいと言い放った。その気持ちはわからないでもないとタカコさんは了承したが、実際は新卒で入った会社が好きだったので寂しくも思ったという。

「さらに驚いたのは、結婚直前になって、『実家をリフォームしたから』と言われて。彼の実家はお義母さんとバツイチのお義姉さん、その子どもの3人暮らしだったんですが、そこへ私たちも入ることになっていた。聞いてないと言ったけど、『僕は長男だから、いずれは同居なのわかってたでしょ』って。

そのあたりから私の意志はどこへいったのという感じだったんですが、周りも祝福してくれているし、結婚しないとは言えなくなってしまって……。でも彼は心根の優しい人だし、お義母さんともお義姉さんともきっとうまくやれる。ダメならさっさと仕事を探して家にいなければいいんだと自分を納得させて結婚しました」

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