11月20日に開幕した2022サッカーワールドカップカタール大会。1次リーグ上位1チームが決勝トーナメントに進める。森保一監督率いる日本代表の初戦は11月23日の祝日22時からのドイツ戦で、27日のコスタリカ戦、12月1日のスペイン戦と続く。

2022日本代表チームのW杯出場を決めた、クオーターゲーム対オーストラリア戦にて。2022年度代表選手には吉田麻也選手、長友佑都選手、柴埼岳選手、遠藤保仁選手など2018年のW杯代表メンバーも名を連ねる Photo by Getty Images

4年に一度の大舞台。サッカー少年にとっても「海外でプレーをする日本人」をリアルに感じることができる貴重な機会で、ワクワクしている人は多いことだろう。カタールとの時差ゆえになかなかリアルで観ることが難しいだろうが、「観られる時間でも観られない」状況が多いという。ジャーナリストの島沢優子さんが問いかける、代表戦をリアルで観る意味とは。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」これまでの記事はこちら
 

W杯の時間は「サッカーの練習」で見られない

サッカーW杯カタール大会が開幕した。
今回、日本が戦う予選リーグで唯一早めな時間は27日(日)19時キックオフのコスタリカ戦くらいで、あとの22日ドイツ戦は22時、スペイン戦は朝4時からになる。

そこで旧知のサッカーコーチの男性に「コスタリカ戦、みんなで一緒に観戦しましょうよ」と誘ったら、彼は「チームの練習があるんです」と残念そうに答えた。男性が指導するのは、中学生年代のジュニアユースクラブである。プロコーチとして雇用されているため、クラブの方針には従わなくてはならない。

うーん。4年に一度のサッカーの祭典だよ? 世界最高峰の国を決める戦いだよ? と、こちらは驚いてしまった。中学生の中にだって、ライブで観たい、応援したい子はいるに違いない。中学生の活動が夜まで及ぶことがあるのは知っている。けれど、自国の代表が世界舞台に立つ日で、しかも今回リアルタイムで翌日のことを気にせず力いっぱい応援できるのはコスタリカ戦しかないではないか。

「ええ、僕もそう思うのですが、もうグラウンドを取ってあるので、練習をパスしてしまうと次は貸してもらえなくなったりするんです。別日に練習の振り替えをすると、子どもも塾が入ってるなどさまざま忙しいので集まれない、みたいなことも起きるので……」

サッカーチームは「練習場」の確保が重要かつ難関だ。学校の校庭を借りたり、公園など自治体の施設をかりたり。突然キャンセルにすることは難しい場合がほとんどだ Photo by iStock

うなだれつつそう話す男性は、さらに続けた。
「まあ、他のチームも(練習を)やるそうなので、練習したがりな大人が多いのも事実ではあります。なぜそこまで練習するのか?うーん。(W杯の)日本代表戦と重なっているのに大人も、子どもも、余裕がないんでしょうね。とにかくたくさんやらなきゃ、みたいになっていますね」