2022.11.21

かつて「埋蔵金」を取り出した筆者が目にした、財務省の世にも奇妙な法解釈

「介入だと見られてしまう」

本コラムでは、外為特会(外国為替資金特別会計)の埋蔵金について、10月10日付の「「円安で儲かった37兆円」を経済政策の財源に充てよ…財務省が臨時国会で触れられたくないこと」をはじめとして何度も指摘している。

ところが、この外為特会は経済対策の補正予算にまったく生かされていない。「財務省ポチ」のマスコミもほとんど報道せず、財務省は知らぬ存ぜずを決め込んでいる。今週から国会で補正予算の審議が始まるので、是非野党に期待したいところだ。

先のコラムにも書いたように、筆者は小泉政権時に外為特会の埋蔵金をやったことがある。といっても、今回のように評価益を取り出したのではなく、運用益を取り出した。実は以前から行われていたのもで、ほぼゼロ金利の政府短期証券(国庫短期証券)を発行して、一般的には中期のドル債を購入する外為特会では、ドル債と政府短期証券の表面金利の利差があるので、為替変動がなくても運用益が出やすい。過去の決算をみても、毎年2~3兆円程度の剰余金が発生し、1.5~3兆円程度の外為特会から一般会計への繰入が行われている。

Photo by GettyImages

筆者の記憶では、運用益を一般会計に繰り入れるときには、かなりトリッキーなことをやっていた。外為特会の保有するドル債の利払いはドルで行われるが、通常であれば、それを円に換えればいい(円転)。しかし、それは「ドル売り円買い」になるので、そうせずに、円転相当分の政府短期証券を発行し、その円を剰余金にしていたのだ。

なぜそのような手間をかけるのか筆者には不思議であったが、あくまで「ドル売り円買い」の「介入」と見られない措置として、当時の財務省職員は説明していた。財務省は対外的には、アメリカ政府との関係で「介入」ができないと説明していた。

 

筆者からみれば、一日の為替取引はその円転量より二桁ほど多い取引量なので、「介入」の効果はまるっきりないのに、財務省が何をいっているのか分からなかった。しかし筆者としては、特別会計の剰余金が入ればいいので、くだらないと議論をしなかった。

ただし、そうした会計処理(資産・負債の両方を膨らます)をしていると、外為特会の資産・負債は増加するので合理的ではないと言っておいた。さらに、外為特会で保有しているドル債の償還時期が到来したとき、償還し償還金を円転せずに、ドル債をロールオーバーして再投資するほうが、「介入」になるとも指摘しておいた。

関連記事