近隣の銀河が太陽系に突進してくる! 膨張宇宙が収縮に転じる「ビッグクランチ」の恐怖

映画や小説でよく描かれる「世界の終わり」や「地球の終わり」。

しかし、究極のディストピアは「宇宙の終わり」ではないでしょうか。それはまさしく「万物の終焉」。――私たち人間を含むすべての生命はもちろん、恒星も惑星も銀河さえも、文字どおり「あらゆる存在」が消え去ってしまうのですから。

そして、最新の宇宙論によれば、その終わり方にもさまざまなタイプが想定されているようです。その一番手たる「ビッグクランチ」が発生すれば、夜空を彩る美しい星たちが、一気呵成に地球目がけて突進してくる!?

壮大で不可思議な宇宙の姿と、来るべきその終末を全5回に渡ってご紹介する短期連載第3回!

※本稿は、『宇宙の終わりに何が起こるのか』(ケイティ・マック著・吉田三知世訳)を一部再編集の上、紹介しています。

銀河の共食い!?

その只中(ただなか)にいる者にとっては大惨事だが、銀河どうしの合体は、宇宙全体では日常茶飯事で、はるか遠く離れたところから見物できるなら、異様に美しい天体ショーだ。

巨大な銀河が小さな銀河を引き裂き、共食いする。隣接する恒星系どうしが一体化する。私たちの天の川銀河には、数十個もの近隣の小型銀河を吸収してきた証拠が見つかっている。

しかし、このような衝突は、宇宙全体としてはしだいに稀(まれ)になっている。宇宙は膨張しており、宇宙空間そのものがますます拡大しつつある。

【写真】宇宙空間はますます拡大しているphoto by gettyimgaes

全速力で遠ざかっていく銀河

理屈の上では、宇宙に中心は存在しない。

しかし、私たちのそれぞれが、自分自身の観測可能な宇宙の中心なのだ。そして、私たちの視点からは、近隣の銀河群よりさらに遠方の銀河はすべて、全速力で遠ざかっている。

宇宙の膨張を発見することは、おそらくみなさんが思っているよりも、はるかに難しかった。いまなお、最高の望遠鏡をもってしても遠方の銀河の動きを直接見ることはできない――観察するたびに、それらの銀河がしだいに遠ざかっているようには見えない。

だが、この話にはまるで関係なさそうな、銀河がもつある性質を注意深く利用すれば、銀河の動きを導き出して突き止めることができる。

その性質とは、銀河が発する光の色だ。