非正規雇用が増えすぎた結果…「中間層が崩壊すれば、日本は沈没する」一流経営者の予言

小林 美希 プロフィール

「中間層が崩壊すれば、日本は沈没する」丹羽宇一郎さんの言葉

私が若者のフリーター問題の企画を提起しても、社会の冷たい風潮もあって企画は通らず、大手商社のトップである丹羽さんに相談したいと連絡をし、アポイントをとりつけたのだった。

私が若者に広がる非正規雇用の問題について話すと、丹羽さんは、私にこうアドバイスしてくれた。

「若者の非正規雇用化は中間層を崩壊させ、やがて消費や経済に影を落としていく。このまま中間層が崩壊すれば、日本は沈没する。

その企画、同じことを3度、上司に言ってごらんなさい。3度も言われれば根負けして、上司は必ず折れるから」

そして3人のデスクに3度ずつ企画を提案して粘ると、ついに企画が通った。

 

2004年5月、週刊「エコノミスト」誌の第2特集で「お父さんお母さんは知っているか 息子と娘の“悲惨”な雇用」を組むことが実現した。非正規雇用に関するデータを探し、マクロ経済への影響など存在しなかったデータはシンクタンクのエコノミストに試算してもらった。

この特集について、当時の慶応大学の金子勝教授や東京大学の児玉龍彦教授がそれぞれ大手新聞の論壇コーナーで取り上げてくれたことで、続編が決定。第1特集となって「娘、息子の悲惨な職場」がシリーズ化した。以降の取材でも、丹羽さんはご意見番として、大きな影響を与えてくれた。

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