2022.11.23
# 企業・経営

世界インフレのなか日本の「小国化」が止まらない…! 衰退するこの国を待ち受ける「残念な未来」

加谷 珪一 プロフィール

短期的にはともかく、長期的な成長というのは、財政や金融といった経済政策ではなく企業の競争力で決まる。経済政策には成長を側面支援する効果しかなく、それ自体が成長の原動力にはならない(財政出動などの各種経済政策が長期的な成長を実現するという経済理論は存在していない)。日本経済がゼロ成長に陥ったのは、日本企業の競争力が低下したことが原因であって、経済政策でどうにかなるものではない。

 

日本から外国人労働者がいなくなる

人材も同様であり、経済が拡大している国の賃金は相対的に高くなるので、多くの外国人が富や仕事を求めてやってくる。逆に経済が縮小する国は、賃金や為替が下落するケースが多く、外国人にとって魅力的ではなくなる。

これまで日本の産業界は、人手不足に対応するため、低賃金労働の多くを外国人労働者に頼ってきた。本来、人手不足に対しては、機械化や自動化、省力化などで対処すべきだったが、日本の産業界が選択したのは、政府に働きかけ、大量の外国人労働者を雇用するという安易な手法だった。

当初は、多くの外国人が仕事を求めて日本にやってきたが、日本の賃金が相対的に下がるにつれて、状況は変わってきた。日本での労働に見切りを付け、本国に帰る、あるいはより高い地域への出稼ぎに切り替える外国人が増える可能性が出てきたのだ。

実際、このところ進んだ円安によって、アジアから来ている外国人労働者が本国に十分な金額を送金できないという問題が発生している。円安のペースがあまりにも急ピッチだったことから、こうした弊害が一気に顕在化したわけだが、円安はあくまできっかけに過ぎない。最大の問題は日本の相対的な賃金が下がったことであるという点について、忘れてはならないだろう。

いくら「今の円安は行き過ぎだ」「いずれは円高になる局面も来る」と声高に叫んだところで、賃金そのものが安ければ、生活がかかっている彼らを説得することは難しい。

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