FTX破綻、民主党への疑惑の眼差しと米国の暗号資産規制のゆるい網

人脈、献金、ウクライナ支援金還流……

スーパーボウル広告の「呪い」

米国には数々のアノマリーが存在する。いま、人々が思い出すのは米国人の3人に1人は視聴すると言われるスポーツの祭典、スーパーボウルの広告の「呪いの法則」ではないか。

ITバブルが崩壊する直前の2000年1月、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の頂上戦であるスーパーボウルにドットコム企業が14社なだれ込み、当時は“ドットコム・ボウル”と呼ばれたものだ。平均で220万ドル支払ったが、その翌年にナスダックは冬の時代を迎え、当時のピーク2000年3月から2002年10月にかけ78%も急落。投資家の資産約5兆ドルを吹き飛ばし、同年3月から景気後退入りしたことは記憶に新しい。

2005年には、アメリクエスト・モーゲージがスーパーボウル広告に手を付け、その2年後にはサブプライム危機を受け閉鎖に追い込まれた。

最近では投資手数料無料のアプリ、ロビンフッドが2021年2月、新規株式公開(IPO)を控え、30秒のスーパーボウルの広告に550万ドルもつぎ込んだとして話題を呼んだ。「全ての人に金融の民主化を」とのスローガンを掲げコロナ禍で一躍注目を集めた同社の株価は、公開価格比で一時2倍超の85ドルを遂げたが、その年の末には同53.3%安に、足元では同75.8%安まで下げ幅を広げている。

2022年2月のスーパーボウル広告で、一躍脚光を浴びたのが暗号資産関連企業だ。今年は30秒の広告費が前年比27%増の700万ドルとされながら、少なくとも5社が展開。例年にない暗号資産関連企業のCMにあふれた結果、”ドットコム・ボウル“ならぬ“クリプト・ボウル”との言葉が誕生したほどだ。

広告を放映した暗号資産(仮想通貨)取引所や決済サービスなどを運営するクリプト・ドットコムは、NBAのスター、レブロン・ジェームズ選手を抜擢し「幸運は勇敢なる者を好む」とのメッセージをお茶の間に届けた。同業のFTXも負けじと米国の人気コメディアン兼俳優のラリー・デビッド氏を起用、「ラリーのように乗り遅れるな」と暗号資産への投資を呼び掛けた。

■FTXのスーパーボウル広告、「暗号資産投資に乗り遅れるな」とアピール

出所:Youtube
 

暗号資産業者はそもそも、スポーツ選手やプロ・チームと契約を結ぶ傾向が強い。FTXとクリプト・ドットコムはそれぞれ、NBAのアリーナ命名権を獲得。FTXは2021年6月に1億3500万ドル支払い、19年契約でマイアミ・ヒートの本拠地、旧アメリカン・エアラインズ・アリーナをFTXアリーナに改名した。後者は21年12月に7億ドル支払い、20年契約でロサンゼルス・レイカーズとクリッパーズのホーム、旧ステープルス・センターの名称をクリプト・ドットコム・アリーナに変更した。

FTXの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めていたサム・バンクマン-フリード(SBF)氏は、10月に2023年2月開催のスーパーボウルに再び広告を展開する方針を表明した際、スポーツと暗号資産の関係について、こう語った――「スポーツファンは、そうでない人々より暗号資産に対する認知度が2倍高く、熱烈なファンであれば3倍近く高い」。

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