2022.11.24

NHK党が推進する「政治家女子48党」が統一地方選の目玉になるかもしれない理由

伊藤 博敏 プロフィール

地方政治の現状に風穴

日本の地方政治は、都道府県・市町村の首長と各自治体の議会議員を、選挙民(住民)が選ぶ制度であり「二元代表制」と呼ばれる。選挙民が選んだ議員が、カネ(税金)の使い道、ルール(条例)の制定、公共施設の運営、インフラ整備など、これも選挙民が選んだ首長がトップに立つ行政をチェックする。

ただ、地域コミュニティが壊れ、「地縁」が薄まるなか地域政治に関心を持つ人が少なくなった。4年に一度の統一地方選の投票率は、前回(2019年)市町村議選で45・16%。他の首長選、都道府県議選も軒並み50%割れだ。戦後民主主義の高まりのなか行われた51年が8割超えだったので、まさに様変わり。投票率だけでなく選挙に出る人も少なくなり、前回の都道府県議選は26・9%、町議選では23・3%が無投票当選。つまり定数を確保するのに苦労する自治体もある。

議員報酬もどれだけの選挙民が意識しているだろうか。

それぞれ条例で定められており、高いことで知られる東京都議の場合は月額102万円で、杉並区議が60万円、青梅市が53万円だ。これに経費として政務活動費が支給される。フルタイムで働いているわけではなく、地方議会の基本は年に4回の定例会と臨時会。市議会の年間会期平均は約90日で町村議会は約43日なので、兼業可能な“おいしい仕事”なのである。

「政治家女子48党」のウェブサイトより

立花氏の狙いは、そんな地方政治の現状に“風穴”を開けること。関心が薄れ、投票に行かない人、選挙に出る人が少なくなる現状は、60歳を超える地方議員の平均年齢に表われている。従って最も多いのが保守系無所属議員で6割を超える。還暦を超えれば「保守」となるのが自然だろう。

政治家女子48党の公約は2つである。ひとつが被選挙権を引き下げ選挙権と同じ18歳以上とすること。もうひとつはネット投票を可能にすること。若者層を中心に選挙に関心を持ってもらい、その声を政治に反映させる。

二極化は、収入面だけでなく情報取得の面でも拡がっており、新聞・テレビで情報に接する層とSNSを主な情報源とする層の乖離は著しい。

例えばブレイキングダウンである。格闘家の朝倉未来氏がプロデュースしており、従来の格闘技を「壊し続ける」という意味合いが込められているだけに過激で激しい。今や爆発的人気でYouTubeの再生回数は19時間で372万再生に達した。しかし新聞・テレビが報じないだけに、その存在を知らない国民は少なくない。ブレイキングダウン党構想には、そのギャップを埋める意味もある。

 

政治家女子48党のコンセプトは、2019年の統一地方選で当選、アイドル活動を続けながら荒川区議としての仕事をこなす夏目さんの実績のうえに組み立てられた。指定難病の全身性エリテマトーデスに罹患、さらには子宮頸がんを発症してがん治療を続けながらアイドル活動も止めなかった。

その壮絶な体験から「医師に救われたように、政策で人を助けられる人になりたい」と政治家になり、子宮頸がん予防ワクチンの普及活動に取り組んでいる。活動は実り、荒川区の接種率は2019年の4・1%が21年には42・97%に達した。そうした体験を『逆境力 難病、子宮頸がんを乗り越えアイドルから政治家へ』(日本橋出版)として、11月7日に上梓した。

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