韓国メディアによると、BTSのJINは、南北の軍事境界線に近い京畿道(キョンギド)漣川(ヨンチョン)郡にある『陸軍第5歩兵師団新兵教育隊』に入営し、5週間に渡り、軍事基礎訓練を行う予定だということがわかった。入営先が「最前線部隊」ということで話題になっているのが、一体どんな部隊なのだろうか?
「この陸軍第5歩兵師団新兵教育隊は、師団のマークが5をモチーフにしていて、鍵のようにみえることから、通称『鍵(ヨルセ)部隊』と呼ばれています。確かに、北朝鮮との軍事境界線に近い部隊であることは確かです。ただ、芸能人でここに入営した人は意外といます。歌手のピ(Rain)や2PMのチャンソンなどもこの鍵部隊出身です」と話すのは、韓国情報をわかりやすく伝える韓国人YouTuberのジンさんだ。ジンさんは兵役中、鍵部隊より少し南にある第3野戰軍司令部で輸送任務の教官として任務していたという。

前編では、入営後に行われる基礎軍事訓練や兵役に行く心境などについて解説していただいた。後編では、兵役の基本情報と最前線部隊とは一体どういうことなのか、話を聞いた。
軍は小さな社会、いろんな職種が存在する
BTSのJINが、南北の軍事境界線に近い京畿道漣川郡にある『陸軍第5歩兵師団新兵教育隊』通称「鍵部隊」に12月13日に入営することが決まりました。前編でも少し触れましたが、鍵部隊にJINがずっといるかはまだわかりません。配属は5週間の基礎軍事訓練後に決まります。多くの場合、基礎軍事訓練で入った部隊やその近くの部隊に配属されるケースが多いです。JINが訓練で入るところは、鍵部隊の中でも教育を司るところなので、そのまま教官として残るということも考えられます。
「え!? 教官って、職業軍人がやる仕事じゃないの?」と思うかもしれません。もちろん、そういった教官もいます。ですが、次々と入営してくるので、教えられる技術がある人は教官という任務に就くのです。教官と言っても戦い方を教えるだけではありません。実は私も軍事訓練後は教官として任務にあたりました。いろんな車が運転できたことが評価され、輸送の教官になりました。
輸送は軍にとって重要なセクションです。というのも食料や生活用品といった日用品の運搬だけでなく、武器などの運搬も行います。きちんと安全に目的地に物資を届けなければ部隊の継続はできません。ですが、いつも舗装されている運転しやすい道とは限りません。山岳地の部隊に運搬するため、道と呼べない悪路を走ったこともあります。しかも車は驚くような年代のもの。そういった車を修理しながら運転するのは、なかなか難しい作業でした。私はそういった作業を指導する教官でした。

教官職は他にもたくさんあるので、JINがそういった任務に就く可能性もあります。軍隊というと、みな銃を持って戦う人、と思いがちですが、そんなことはありません。軍の中は「小さな社会」のようなものです。
軍事警察もいれば、弁護士、医者もいます。英語が得意な人は、通称「KATUSA」と呼ばれる韓米合同作戦関連の任務やDMZ(非武装地帯)でガイドをすることもあります。みなさんが考える以上にいろんな職種が存在するのです。そして、どの仕事も軍にとっては大切な仕事です。その人が今までやってきた仕事、得意なものを生かせる任務を担当することが多いです。