2022.12.01

【いまさら聞けない】「名目賃金」と「実質賃金」の違い、知っていますか?

同じ賃金上昇でも大違い!

給料がアップしても、暮らしが楽にならない!?

「企業が賃上げをできる環境を整える」

日本銀行の黒田東彦総裁は11月14日、名古屋市内で開かれた金融経済懇談会でこう述べた。日銀は物価と賃金の両方が安定的に上昇していくことを目指している。

ここで気を付けておくべきなのが「賃金」には、「名目賃金」と「実質賃金」の二つがあるということだ。ニュースでも混同されがちだが、この二つはまるで違う。

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「名目賃金」は、賃金の金額のこと。多くの人はこの名目賃金が上がれば生活が良くなると思いがちだが、それは違う。実際は、賃金が上がった分以上に物価が上がれば生活水準は厳しくなってしまう。たとえば名目賃金が1%上がっても、物価の上昇率が3%なら、暮らしぶりは良くならない。

本当の意味で賃金が上がったかどうか――これは「実質賃金」を見ることで判断できる。名目賃金の伸びから物価上昇率を差し引くことではじき出される数値で、先ほどの例なら「1%引く3%」なので、実質賃金はマイナス2%となる。

つまり名目賃金の伸びに惑わされず、物価上昇率も加味した実質賃金を上げていかないと、人々の暮らしは良くならないのだ。

しかし今、現実の問題として実質賃金は減り続けている。厚生労働省が'22年10月下旬に公表した「毎月勤労統計調査」('22年8月分結果確報)によると、実質賃金(現金給与総額、事業所規模5人以上)は5ヵ月連続でマイナスとなった。

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