他の男性の目がないところで…

男性同士では恋愛の話はあまり出ないが、他の男性の目がないときなどにポロッと相談してくる人もいた。女性についての愚痴はいいが、本質的な弱音を吐いたりすることは御法度だからだ。

 

個人的には一部の女性政治家を、かつての自分を見るような、哀愁を感じ取ってしまうのだが、奇しくも日本のジェンダーギャップ指数の足を引っ張っているのは、政治の分野だというのだから、ホモソの影響力が強いところには女性が進出しづらいというのは、あながち間違いではないのだろう

私がホモソーシャルなコミュニティにどっぷり浸かっていた頃、からかわれたとき、やられたときにやり返し、取っ組み合いになったことが何度かある。いくら仲間でも、力は女だった。やられたからやり返したら、コテンパンにされるのがお約束だった。どんな細身の男性でも腕を掴まれると身動きが取れないものだ。その悔しさったらない。

結局、男同士の絆には入れず、女だからと舐められたくないのに、女であることを知らしめられる屈辱。力では絶対に勝てないし、身体的苦痛は共有できない。圧倒的敗北感を持つようになっていった。だからこそ、話し合ったって無理!と攻撃的な態度を取ったりしたこともある。なぜなら、私にとって男性とは、こちらがどうあがいてもびくともしない強者だったからだ。

写真提供/バービー