佐川急便&ヤマト運輸にも勝ち目あり
SNSを運営する企業だけではない。物流を支配する「アマゾン」も苦境に立たされている。'22年1~3月期決算で7年ぶりの赤字に転じた。この期の売上高は約116億ドル(約16兆円)だが、約38億ドル(約5320億円)の赤字だ。
'19年末に約80万人だった従業員は、'22年9月には約154万人に増えていた。しかし業績悪化を受けて、手始めに約1万人の解雇を決断した。
「何でも買える」をスローガンに、アマゾンは新規製品の開発に手を広げてきた。たとえば「アレクサ、音楽をかけて」と話しかけると曲を流してくれるスマートスピーカーや、家庭用ドローンなどだ。だが、商品を製造・開発するハードウェア事業は年約50億ドル(約7000億円)の損失を垂れ流しており、アマゾンの経営を直撃している。
「アマゾンの中核であるネット通販(EC)事業も安泰とはいえません。日本でも優れた物流網を持っている佐川急便やヤマト運輸がEC事業を始めれば、アマゾンを逆転できる可能性があるでしょう」(前出・大原氏)
創業者ジェフ・ベゾス氏(58歳)であれば、アマゾンを復活に導くことも不可能ではないかもしれない。だがベゾス氏は'21年に会長職に退き、その後は宇宙旅行をしたり、気ままに投資をしたりしている。米CNNによる最新のインタビューでは、こんな発言をしていた。
――(17兆円の)資産の大半を寄付するつもりはありますか?
「はい。このおカネを有効に寄付できる受け皿を作っているところです。いま世の中で嫌なのは多くの分断が起きていることです……」
恋人である女優ローレン・サンチェス(52歳)を隣に座らせ「人類を結束させたい」と語るベゾス氏は、アマゾンには興味がないのかもしれない。