「男女間の不均衡や男尊女卑の意識は根強いです。これがDVや浮気に結びつくこともあります」と語るのは、浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の山村佳子さん。

上智大学の三浦まり教授らが、2022年に発表した47都道府県別のジェンダーギャップ(男女格差)指数が話題だ。これは政治・行政・教育・経済と4ジャンルで男女格差を数値化し、都道府県別にランキングしているデータだ。
結果を観ると、どの都道府県も五十歩百歩といったところ。「平等」と呼ばれる数値の半分程度しか満たず、いずれも男女平等からは遠い。つまり、女性の声が意思決定に反映されにくく、男性と比べ育児や家事の負担が重い。さらに教育や仕事の選択が制限されていることも判明した。

山村佳子さんのもとに相談に来たのは派遣社員の静香さん(仮名・40歳)。九州の高校の同級生だった夫(40歳)と結婚15年で、13歳と10歳の娘がいる。ちなみに九州のジェンダーギャップ指数を見ると、沖縄をのぞくと4ジャンルのベスト5には1県も入っていない。もちろんどの地域にも様々なタイプがいるとはいえ、「九州男児」と言われている伝統が影響しているのだろうか。

前編「「「外出は3日前に報告しろ」40歳女性が九州男児の夫に受けた「壮絶な男女差別」」では、夫が男尊女卑の考え方の持ち主であること、そして妻・静香さんにモラハラと経済DVを続けていたことを紹介した。夫は地元・九州で父親が経営する水道工事会社のナンバーツーとして高収入を得ていたが、父が急逝し業績は急落。3年前に一家で上京し、現在はIT関連会社の営業マンとして働いており、高収入を得ているが、静香さん母子には生活費を渡さない。そんな毎日が続く中、夫は「離婚したい」と切り出してきたのだ。静香さんは夫への愛よりも、ここまで尽くしてきた中、子どもと共に放り出そうとすることへの対応をすべく、調査を依頼した。夫は浮気をしているのか。そして静香さんは夫に対峙できるのか。

 

DVを受けている妻は夫の行動を捜索しない人が多い

静香さんは夫の行動を一切知りません。モラハラやDVを受けている妻は、夫について興味を持つと「痛くない腹を探られて攻撃に遭う」という経験を繰り返しています。だから、夫に対して一切の興味を持たないようにシャットダウンするという心の状態になるのです。
夫から難癖をつけられても「知らなかった、ごめんなさい」「わからないの、ごめんなさい」と言い続けて嵐をやり過ごすのです。

DVにずっと遭っていると、「私が悪い」「仕方ない」「ごめんなさい」と相手のミスを指摘できなくなっていくこともあるという Photo by iStock

静香さんの場合、15年間も夫の支配下にあり、徹底的に夫の情報をシャットアウトしていました。勤務先を聞くと、「なんか、渋谷にあるIT関連会社で、先輩が経営しているベンチャーです」以外の情報がないのです。

家にも帰ってきたり、来なかったりで行動がつかめない。私たちはなるべく費用をかけたくないのですが、この場合はベタ付きで調査に入ることにしました。
この案件を親しい探偵に話したところ、「その夫は、SNSを絶対にやっていますね」と断定。夫の名前や属性を組み合わせて検索したところ、本人と思しきアカウントを特定しました。

そこには、美女を両脇に抱えている写真、ラーメン、サウナ、シャンパン、赤身肉、カラオケ、フェス、仲間とW杯観戦、ブランド店で買い物など「いかにも」な写真がズラリ。
依頼者・静香さんに確認すると、「えええ!!!これは主人です!」と驚いていました。2つのSNSの投稿内容から分析すると、金曜日の夜に自宅に帰り、土日は女性と過ごしていることが判明したのです。

家に生活費を入れずに豪遊三昧…Photo by iStock