2022.11.29

ウクライナ戦争で様変わりした国際エネルギー情勢…日本がG7の議長国として問われる「指導力」

目ぼしい進展なし

エジプトの高級リゾート地「シャルム・エル・シェイク」で開催された第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は11月20日、当初予定されていた会期を2日間延長、「シャルム・エル・シェイク実施計画」を採択して閉幕した。これを受けて、内外のマス・メディアの多くは「決裂や分断を避けられた」と前向きに捕える報道が相次いだ。

エジプトで開かれたCOP27 photo by gettyimages

しかし、現実は厳しいもので、こうした論調には首を傾げざるを得ない。
喫緊の課題となっている、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑える目標について、目ぼしい進展がなく、国際社会が1年間という時間を浪費する結果になったことは遺憾としか言いようがない。

また、異常気象による途上国の「損失と被害」を支援する基金についても、設立に合意したことを評価するメディアは多い。とはいえ、合意文書には誰が出資するのかなど基本的な要件を盛り込んでおらず、来年、アラブ首長国連邦(UAE)で開催されるCOP28に大きな火種を残したことは明らかだろう。

ロシア軍のウクライナ侵攻以来、欧州諸国は世界各地で化石燃料の確保を急いでおり、その煽りから途上国はエネルギー危機の到来に脅えている。今回のCOPはそんなエネルギー市場の現実に振り回され、右往左往するだけの国際社会の現実を浮き彫りにした会議として記憶されるべきなのである。

 

そうした中で、来年、主要7カ国(G7)の議長国をつとめる日本の役割は重要で、COP28でCOP27のような遅滞を繰り返させないため、重い十字架を背負っている。

COP27の閉幕後、筆者は、ある外電に頷かざるを得なかった。気候変動で国土が水没の危機に瀕している、南太平洋の島国ツバルのパエニウ財務相が対策を加速する「好機が生かされなかった」ことに対して、「深い遺憾の意と失望感」を表したと報じていたからだ。

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