2022年も、中学受験の季節になった。首都圏では、帰国子女入試が始まり、1月から千葉・埼玉などで、2月1日に東京・神奈川で入試が始まる。昨シーズンは、高瀬志帆さんの大ヒット漫画「二月の勝者」がテレビドラマ化された際、主演の柳楽優弥さんにインタビューしたのをきっかけに、リアル二月の勝者シリーズとして、フラウで様々な受験体験を紹介した。今年はSNSで広がっている「#中学受験のバトン」活動に賛同し、「これから受験する家庭に体験を伝え、応援したい」と情報を発信している方たちのインタビューを紹介する。1回目に登場していただくのは、バトン活動を提唱した父親のレモンさん。長女は桜蔭中に合格、長男の受験はドラマがあり…。その体験から、バトン活動を始めた経緯を伺った。
知育から「ブラック・ジャック」で導く
会社員のレモンさん(40代、パパ)の長女は、東京「御三家」と呼ばれる私立女子中高一貫校の中でも、最高峰の桜蔭中に合格した。大手塾の中で、桜蔭の合格者が一番多いと言われている「サピックス」から桜蔭と、まさに中学受験の王道を行っている。サピックスに通うきっかけは、どんなことだったのだろうか。
「娘が小さい頃から、ベビーくもんやリトミックなどの知育を始めていました。私たち夫婦は、中学受験の経験はありません。最初はママの方針で、知人の話も聞いていたし、おぼろげに中学受験をしたいと思っていました。
小学低学年の頃に、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』を見せて、『お医者さんになったらいいんじゃない』と勧めました。どの学校に入ったらなれるかな、桜蔭という学校に行ったらお医者さんになれる近道なんじゃない、というような話を娘にしました。桜蔭生で医学部に進む子は、多いですから。
受験塾は、合格実績のあるサピックスがいいということになり、小3の時に入塾しました。娘は上位クラスからスタートし、ほぼ一番上のα(アルファ)というクラスにいました。本人は嫌がったりせず、楽しく勉強していましたよ。学校よりも、レベルが高くておもしろいという感じでしょう。また『自分は、上のクラスにいるんだ』という自負もあったように思います。
それでも、5年生の頃には伸び悩んだ時期がありました。偏差値が一時期、下がって辛かった。振り返れば、この頃は勉強のボリュームも塾の宿題も増えるし、内容も難しくなります。塾に行っていない友達とも、自由に遊んでいた時期でした」
