欧州各国にも負けないサポーターに
本田はこの権力者やリーダーは誰なのか言及していないが、日本サッカー協会の会長や技術委員長、日本代表監督、Jリーグチェアマン。さらにJリーグ各チームのトップやスポンサーなどを含んでいるとみなすのが自然だろう。
「なぜ本田がスペイン代表戦前に、わざわざツイッターで発信したのか」の理由を考えると、“にわか”を含む多くの日本国民に「ぜひ考えてみてほしい」と言いたかったからではないか。さらに深読みすると、「権力者やリーダーをチェックするのがサッカー強豪国の国民に求められる役割の1つであり、これまでより影響力を高めていかなければ、進化にはつながらない」というメッセージが感じ取れる。
現在の日本サッカー界は、営利企業のように組織としてはサッカー強豪国に近いところまで到達したものの、良くも悪くもそれだけで、欧州や南米のように常に国民が関心を持つような段階には至っていない。

その段階を象徴しているのが、ワールドカップだけを重要視する“にわか”の存在。本田のツイートからは「“にわか”の中から常に関心を持つ人が増えれば、ふさわしい権力者やリーダーを選べるし、それができれば日本代表が強くなる」というメッセージ性がうかがえた。
日本の選手たちは欧州各国のチームに移籍し、最高峰のUEFAチャンピオンズリーグでも活躍するなど進化を続けている。だからこそ日本国民も今大会で進化して、欧州各国に負けないサポーターになってほしいという願いが感じられた。