ボディポジティブなメッセージをSNSや記事で発信し、支持されているプラスサイズモデルの吉野なおさん(モデル名:Nao)。

過去には、摂食障害を患ったことがあった。「当時は『好きだけど、痩せてほしい、痩せたほうが絶対かわいいよ』という元カレの言葉のまま、『女性は痩せていなければ愛されない』と思い込み、脳が痩せることに支配されてしまい、30キロものダイエットに励んで摂食障害になってしまったことがありました」となおさん。

そんななおさんが、先日婚約をした。今のパートナーと暮らし始めて、恋愛観が大きく変わり、自己肯定感も育めるようになったなおさん。「なかなか恋愛がうまくいかない」「私なんてどうせ恋なんてできない」という人、ぜひ読んでほしいなおさんからのメッセージをお届けする。

 

「時間が経つと愛は飽きる」の思い込み

私事だが、一緒に住んで4年のパートナーと婚約した。

彼は常に愛がフレッシュで、「愛情の燃費が良い」。燃費が良いというのは、些細なことで愛情を感じる人だからだ。たとえば私がただ視線を向けるだけで「あっ僕のこと見てる!! どうぞ、もっと見て」と喜び、私が隣に行くだけで「わ〜、来た来た!」と満足そうにする。4年も一緒に暮らしていれば慣れて当たり前になりそうなことに対しても、喜びを見出して表現する。私が何か特別なことをしたわけではなく、ただそこにいるだけで喜んでもらえるというのは、なんだか生まれてきた甲斐があるし、私も自然と「この人をもっと大事にしたいな」「私もこんな風に愛情表現をしてみよう」と思えてくる。

吉野なおさんと婚約したパートナーさん。写真提供/吉野なお

SNSで、こういった彼とのやり取りや関係性についてコメントすると、ありがたいことに、「なおさん達みたいな関係性のカップルになりたい」と言ってもらえることもよくある。

そこで今回の記事では、ジャングル奥地の秘境を探索するかの如く、パートナーの愛と優しさについて考察し、良い関係性を続けるコツについて考えてみたいと思う。

これはお惚気でもなんでもなく、私自身も気になっていたのが、彼のマンネリとは程遠い、こんこんと湧き出る泉のような彼のフレッシュな愛の源についてだ。単刀直入に「どうしていつもそんなに愛情がフレッシュなの?」と聞いてみたところ、「これはフレッシュじゃなくて、僕の愛はワインのように時間をかけて深くなるからだよ」という、まさかの回答をもらった(ちなみに彼はフランス人である)。

愛はワインと同じ...!! 新鮮さではなく、熟成されるもの...!! 確かに、つき合いたての頃よりも、愛情表現が豊かになったような気がする。つき合いが長くなる=マンネリになる、と考えてしまいがちだが、なるほど、そこからして私のイメージが間違っていたようである。しかし、日本では「3年目の浮気」説が好まれ、燃え上がるのは最初だけでいずれ飽きる、といった思考が脈々と語り継がれている。私以外にも、恋愛とはそんなものだ、と思っている人は多いはずだ。

彼にそのことを話すと、「シンプルなことを楽しめる関係なら、長く付き合えるのかもね。映画などで表現される愛はドラマティックだけど、現実にはそんなに特別なことじゃないから。映画のような、分かりやすいものが愛だと思ってると、気付かないかも」となんともらしい返事が返ってきた。