「派遣は麻薬と同じ」「悪いと分かっていてもやめられない」…給料が安すぎる国の「悲しき構造」

平均年収443万円の暮らしとはどんなものだろうか。

いま話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、物価が上がる一方で給料は安いままの国の生活の実態を明らかにしている。

女性の半数以上が非正規…日本はこうして貧しくなった」に続いて、この国の正規・非正規の格差の構造について。

派遣は麻薬と同じ

派遣の難点は、契約期間を短くして契約を更新しないということで、短期間のうちに合法的に「クビ」にできることだ。

社会保険料は派遣元が負担するため、派遣先企業にとっては、社会保険料の負担から逃れられ、退職金を用意しなくて済むメリットが大きくなった。

簡単に人を切ることができるうまみを覚えた企業が増えていき、派遣期間は現在、1ヵ月から3ヵ月程度を繰り返し更新するようになっている。そして、少なくないケースで、派遣が悲惨な働き方と化していった。

派遣労働者は、派遣会社に無期雇用されているケースも含めると、2020年度で193万人となっている。派遣先が派遣元に払う派遣料金は8時間換算で平均2万4203円、派遣社員の賃金は8時間換算で平均1万5590円となっている(厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」)。

雇用安定措置として、派遣で同じ職場で3年働く見込みがあり、本人が就業継続を希望する場合、派遣元企業には以下の措置をする努力義務がある。

まず、(1)派遣先への直接雇用の依頼をする。それが叶わない場合、(2)新たな派遣先の提供、(3)派遣元での無期雇用、(4)その他安定した雇用の継続を図る、ことである。