大学3年生の夏、気象予報士の資格試験を受験。気象に関わる仕事を目指すと決めた。
合格率5%ほどという狭き門だったが、猛勉強の末、2度目の挑戦で合格。テレビ局や気象会社などに絞って就職活動を行った。地元の北海道文化放送から内定が出たときは、気象の世界に入っていけると胸躍らせた。
「入社してみたら、配属先はイベントなどの仕事をする事業部。でもいざ働きだしたら、イベントは天気に左右されることが多くて、気象の知識が随分役立ちました。それを見越しての配属だったのかもしれません(笑)」
その後、報道部に異動となり記者に。事件や事故など様々な現場を取材した。そんななかで、忘れられないのが災害現場だった。

「地震や大雨、台風。災害が起こるとすぐにヘリコプターに乗って現場に入りました。実際に目の当たりにする災害現場は、それまで画面越しに見ていたものとは全く印象が違っていた。以前はどこか遠くで起こっている、自分には関係ないと思っていた災害が、こんなにもひどいものなのかと痛感しました。被害のあった地域で話を聞くと、気象情報のおかげで助かったという方もいるいっぽうで、全然情報が届いていない方もいて、そのギャップを感じたことも少なくありませんでした。台風が接近しているときに野外コンサートを開催しているなんて現場を目の当たりにしたことも。せっかく情報を出しているのに、なぜそれが十分に生かされないのか、どうしたらいいのか。死亡者が出たときには、とくに考えさせられました」