2022.12.06

江戸時代の「遊女」たちの「床上手」ぶり…その描かれ方はこんなにスゴかった…!

かけひき、手紙、やさしさ…

名妓たちの良さとしてとくに強調されるのは、下の者に対するやさしさでした。夕霧は八百屋や魚屋がやってきても決してばかにすることなく、喜ばせました。三笠は、客の召し使いや駕籠かきにまで気を遣い、禿(遊廓で修行中の少女たち)が居眠りをするとかばってやりました。

金山という遊女は、ある被差別民の客が身分を隠してやってきてそれが噂になると、衣装にあえて欠け碗、めんつう(器)、竹箸、という非人の印を縫いつけ、「世間はれて我が恋人をしらすべし。人間にいづれか違いあるべし」と言い放ったというから見事です。人権派の遊女、というところです。吉野の話はすでに冒頭で紹介しましたね。遊女の魅力は第一に人間的魅力だったのです。