2022.12.06

「親にされたようなことを、自分の子にはしたくない」と感じている大人たちへ…カウンセラーが明かす逆算の育児

摂食障害、うつ病、子どものゲーム依存やネット依存、夫のDV、息子の不登校……カウンセラーとして、長年、家族に起きているさまざまな問題に対処してきた臨床心理士・信田さよ子さんだからこそ見えた、「子育てでやってはいけないこと」とは? 大好評連載のリバイバルをお届けします。

後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと

子育て本が母親の不安を増している

書店を訪れても、インターネット上のサイトを見ても、世の中には実にさまざまな育児書や子育て本があふれていることをご存じでしょうか。

近年ではそれらが子どもの年齢別に細分化され、男の子、女の子、一人っ子、などによってバージョンが違っているのを見ると、ちょっとめまいがしそうな気がします。

またここ数年は、元気な中高年の登場によって、祖父母、ジージ・バーバのための孫育て本まで登場しています。

古稀を過ぎた私の子育て時代を振り返ってみると、1970年代には小児科医の書いた本が数種類あっただけではなかったでしょうか。それらもいわゆるゼロ歳児期を過ぎると、おおざっぱな心構えを書くくらいで、現代のような手取り足取りといった微細な記述はほとんどありませんでした。

核家族が大量に生まれてはいましたが、私のように身近に祖父母がいないという育児環境に置かれる女性たちは、当時まだまだ少数派だったことも大きかったかもしれません。実母や姑の経験則による育児が影響力を保っていたのです。

現在のように、育児書がここまで具体的な方針を示してくれるようになって、多くの母親たちは育児不安から解放されたのでしょうか。

現実はその逆ではないでしょうか。情報がさまざまにあふれることで、いったいどれを信じていいのか、どの本に書かれていることが適切なのかがかえって見えなくなっている気がします。道が3本しかない時の迷い方と、5本も6本もあるときの迷い方では違ってくるでしょう。

子育てに関する情報が多様化し氾濫することが、多くの親を不安に陥れてしまう危険性があること。

子どもを性別や年齢によって細分化することで、対応がパターン化されてしまい、それによってパターンどおりに実行できない親が自分を責めてしまいがちであること。

この2つが問題点として見えてきます。

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大