2022.12.06

ここでも岸田総理はすぐに動くつもりなし…政府の“気候変動対策の切り札”に暗雲

停滞ぶりが明らかに

政府の説明とは裏腹に、気候変動対策の切り札と期待されていた「カーボン・プライシング」(炭素の排出を有償化する仕組み)の導入に暗雲が立ち込めてきた。

政府のグリーントランスフォーメーション(GX)実行会議(議長:岸田総理)が公表した資料を見ると、その停滞ぶりが明らかになっているのだ。例えば、西村GX実行推進担当大臣兼経済産業大臣が直近(11月30日)の会合で示した資料「GXを実現するための政策イニシアティブの具体化について」は、前段で「速やかに実現・実行する」「効果的な仕組みを検討する」と強調しておきながら、具体論となった途端、「我が国経済に悪影響が生じるおそれ」があり、「直ちに導入するのではなく、GXに取り組む期間を設けた上で導入」するとトーンダウン。「最初は低い負担で導入し、徐々に引き上げていく」などと小出しにして可能な限り先送りする構えを見せているからだ。

photo by gettyimages

その一方で、「(カーボン・プライシングの)導入の結果として得られる将来の財源を裏付けとした『GX経済移行債(仮称)』を発行。これにより、大胆な先行投資支援」を行うなどと述べ、良いところ取りが可能と結論付けている問題もある。

こんな口先だけととられかねない対応で、日本は本当に、待ったなしの世界的な課題である気候変動対策を成し遂げることができるのだろうか。

カーボン・プライシングの導入議論をする際に、まず理解しておく必要があるのは、脱炭素に向けて幅広く二酸化炭素(CO2)の排出に網をかけて脱・炭素を促す「炭素税」と、自らは削減しないでも他社が排出を削減した分(排出権)を購入することで自ら削減したとみなすことができる「排出権取引」の2つの方法があることだ。

 

このうち、排出権取引は、国全体としての排出枠(排出量)を毎年着実に減らしつつ、1単位の価格をあげていく仕組みを作り出さないと脱・炭素には繋がらないリスクがある。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
SPONSORED