改めて父が認定調査を受けることに
うちの場合は、混乱した時にとる行動にリスクがある(前回書いた、おでこが骨事件など)。ちょっとしたことでかっとなって怒り、たとえばお世話になっている事業所のスタッフさんや、道や店舗で出会った一般人の方の行動が気に入らないと、急に汚い言葉でののしる。私が注意したことが気に入らないと、殴りかかってくるなど、イライラしやすい。そして父の行動に強く出ているのは「時計的行動」という、決まった時間に決まったことをしないとイライラしたり、落ち着かない症状だ。
その上最近の父はアルツハイマー的な症状も増え、午前も午後も夜中も、急に「ご飯を食べてなかった!」と自室から飛び出し、階下に降りてくることが増え、危なくて仕方がない上に、大変面倒くさい。そして年齢がより高くなり、尿失禁をはじめ、87歳という年齢にともなう身体の衰えもこの1、2年目立つように。たとえば心臓。ワクチンの2度目の接種の翌日に倒れ、その後何回か倒れたことから、いろいろ検査を経て不整脈の悪化と心拍数が2倍になったことを整える薬を飲み、現在は落ち着いている。コロナ禍で通所も減った時期もあったからか、脚が衰え、転倒のリスクが増え、何度か階段から落ちて脳神経外科にいくはめにもなった。そのほか、むせて誤嚥の危険性が増したなど、書きだしたらきりがない。

そういった身体的な面は、前回要介護3をとった令和1年からかなり進んでいるので、今年の9月の認定調査では、アピールポイントになるかもしれないと思った。特養老人ホームに申請できる最低条件、要介護3はキープしたい。しかし、面接の時にたまたま認知症の症状が見えにくく、調査員の方の印象が軽くなって、87歳の高齢の状況で、介護2に戻ったらどうしよう。そんな危惧を抱え、新たな認定調査に臨んだ。
◇認定調査は父親の面接と家族である田中さんの聞き取りがある。どのような質問をされるのか。果たして本当に困っている状況を認定されたのか。詳しくは後編「要介護2に戻ったらどうしよう…認知症「要介護3」87歳の父の「認定調査」の結果」にてお届けする。