このままでは子どもが死ぬ…あまりに質の低い保育士の「残念すぎる実態」

点呼のチェックすらめんどくさいと言う

静岡県裾野市の私立「さくら保育園」で、30代の保育士3人が園児に虐待を繰り返していた事件が大きな話題となっている。

なぜ、保育士による虐待・暴力が起きてしまうのか。新刊『年収443万円』でも保育現場の残念な実態についてレポートしているジャーナリストの小林美希氏が、前編「園児をたたき、ご飯を口に突っ込む…保育園で虐待・暴力が繰り返される『構造的問題』」につづいて深刻な問題の深層に迫る。

退職をチラつかせる保育士たち

暴力や暴言、冷淡に接するなど明白な虐待ではなくても、見過ごしてしまいがちな「心理的虐待」である保育は蔓延しつつある。

新型コロナウイルス感染症が流行する前は、夏のプールの時間は子どもたちの楽しみでもあったが、都内のある社会福祉法人の認可保育園では、“親教育”の思想の下に、水着はあってもタオルひとつ忘れると「忘れ物をしたらプールは見学です」と、一律にプール遊びをさせてもらえなかった。

ある社会法人が運営する認可保育園の2歳児クラスでは、朝の会で園児が友達とおしゃべりとしたり、ちょっと後ろや横を向いただけで、保育士がその子を立たせて指さし、「〇〇くん、おしゃべり、悪いことー!」と煽動して他の園児らにもその子を指ささせ、全員に「あー。〇〇くん、悪いことー!」と言わせていた。

また、同保育園では保育士が絵本を読んでいる間に少しでもおしゃべりをする子がいると、担任が「今日は、〇〇ちゃんが話を聞けないので、〇〇ちゃんのせいで、お散歩には行きません」とクラスの園児に言い渡していた。遅れて登園した子の保護者は目の前で起こったことに唖然とし、すぐに園長に問題を指摘して、保育士への指導が行われたという。

筆者の新刊『年収443万円』で登場した保育運営会社の傘下の保育園の状況について、元園長はこう語る。

「保育士はすぐ辞めて入れ替わるため、皆若いです。1歳児を滑り台で遊ばせてケガをしても保育士は平気な顔をしていました。公園に子どもを置き去りにするミスを防ぐため、園児の点呼をチェック表につけましょうと指導すれば、『ええー、めんどくさーい』と言った具合で、『じゃあ辞める』と退職をチラつかせるのです。

指導しても、暖簾に腕押し。次々に園を作るので、資格さえあれば誰でもいい状態で採用するため、保育の「ほ」の字の基本も分からないような、あり得ない質の低さでした」