計算尽くだった
―二階劇場、満員御礼。
『「和歌山の妖怪」二階元幹事長、地元で超絶「ちゃぶ台返し」…!これは復活の狼煙なのか』で報じた通り、この知事選では二階を敵視する世耕と、二階が候補者擁立合戦を演じ、岸本を推す二階が完勝した。一方的に世耕を叩きのめした、と言うほうが正確かもしれない。
「前の県知事は、二階さんの側近だが県民人気がイマイチだった。世耕さんはチャンスとみて、元官僚の独自候補を立てた。マスコミも『ついに世耕側が代理戦争を仕掛けた』などと囃し立てました。
二階さんは県連の候補者選考会でも黙っていた。でも実は、世耕さんが動き出すはるか前の'22年年明けから、岸本さんを県内の有力者や市町村の首長へ挨拶に行かせていました。そうして完璧に足元を固めた上で、泳がせておいた世耕さんが別の候補を立てた瞬間、盤面をひっくり返した。全てが計算尽くなのです」(自民党二階派所属議員)

知事選をテコに衆院鞍替えを果たすという世耕の目論見も、完全に潰えた。
投開票日、岸本が挨拶する間、世耕は二階の隣で縮こまっていた。20時の締め切りと同時の当確。24万6519票、得票率80.1%の圧勝だった。
「岸本さんの当選を見届けると、二階さんは関空からの最終便で上京していきました。『表の日程』はほとんどないように見えて『裏の日程』が詰まっているのでしょう。60歳の世耕さんは翌朝の便で帰ったのに、すごい体力です」(前出・県連関係者)