ワクチンに関しても、海外では疑問の声が噴出しているが、日本はどこ吹く風。「ヨソはヨソ、ウチはウチ」状態で、コロナ初期の頃の「海外を見習い、もっと制限を強化しろ!」からは180度方針転換した。
海外がワクチンを信じていないのに、お人よしの日本だけは製薬会社に貢献すべく、ワクチン政策に邁進し続け、厚労省のアドバイザリーボードに参加した専門家は、「第8波」を防ぐのはワクチンである、と述べた。
これが頓珍漢であることを示す事例を挙げる。2022年10月11日の欧州議会公聴会でファイザー社国際先進市場担当代表のジャニーン・スモール氏は、欧州議会のロブ・ルース議員(オランダ)から、こう質問された。
「ファイザー社は、ワクチンが市場に出回る前に、コロナ感染をワクチンが防ぐかどうかをテストしましたか? もしそうでなかったらハッキリとそう言ってください。もしそうであれば、この議会で情報を積極的にシェアしてくれますか? 私は直接的な答えが知りたい。『はい』か『いいえ』だけです」
スモール氏はこう答えた。
「いいえ」
そして笑みを浮かべ、笑い声も出した。なんと、初期の頃言われていた「ワクチンはコロナ感染を防ぐ」という説に根拠がなかったのが明かされたのだ。

海外でも日本でも、「感染拡大防止のため、社会のため、誰かの大切な人のために打て」「ワクチンパスポートこそ重要だ」と言われたが、これらを根底から覆す証言である。そしてスモール氏はこう続けた。
「私たちは科学のスピードを上げ、市場で何が起こっているのかを知る必要があった」
この件は日本の大手メディアは報じていない。ワクチンの「感染予防効果」を初期の頃に断言してしまったため、撤回できないのだろう。
ドイツの公共交通機関でのマスク義務化や冬の「第8波」到来などは想定されるものの、世界は基本的には「コロナは過去のもの」になっている。だが、日本はまったく終わらせようとしない。以下の記事にはずっこけた。
『ワクチンで感染300万人回避 新型コロナ「第8波」試算―厚労省助言組織』(時事通信ドットコム・10月26日)
記事によると、厚労省のアドバイザリーボードに対し、専門家が「第8波」発生時の推計感染者数が報告されたという。
「実効再生産数」が1.2だった場合、2023年2月までの累計感染者数が844万人になると推計。その上で、ワクチン接種が2022年12月に1日100万回超のペースで進めば550万人と約300万人減少するとのこと。実効再生産数を1.3とした場合は、感染者は1038万人の試算が797万人に抑えられるのだという。
ファイザーの幹部は「感染予防効果」についてテストしていないと答えているのに、この事実を無視したこの試算。こんな杜撰なシミュレーションをする人間に日本は舵取りを任せ、ワクチンの年内接種猛加速を求めているのだ。
というか、「専門家」とやらのシミュレーション、これまでに当たった試しがないのに、いつまで彼らの意見を重用し続けるのだろう、日本政府は。
11月23日には、「新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える」勉強会が行われ、接種後死亡した配偶者を持つ遺族3人、超党派の国会議員、感染症の専門家、そして厚労省職員が出演。遺族と専門家の怒りの追及に厚労省職員はタジタジとなっていた。その直後、岸田文雄首相は自身5回目のワクチン接種動画をネットに公開し、国民に接種を呼びかけた。