あばよ、日本…!「コロナに感染しないことが人生でもっとも大切」だと? こんな異常な国は出ていくに限る。

中川 淳一郎 プロフィール

法律よりも「お願い」を大事にする愚

自動車運転における「法定速度」は破られまくり。立小便をする酔っ払いは多数存在。入学したばかりの大学生が酒を飲むしタバコも吸う。横断歩道を渡ろうとする歩行者がいたら車は停止線で止まらなくてはいけないはずなのにガン無視。本来通行が禁止されているはずの歩道を、自転車が走り放題。

セクハラは法律違反だが「ハメを外してしまった」と加害者本人は言う。万引きも信号無視もやり放題。不良高校生がコンビニの駐車場でタバコを吸っていても怖くて注意できない。パチンコでは換金をする。いずれも重罪ではないが、法律違反である。

これらが許されるのに「ルール」「お願い」「ご協力のお願い」についてはなぜか日本人は遵守を求める。そして、「ルール」の中でも「空気として厳しいもの」に対するルールのみ遵守が求められる。

エスカレーターの片側開けはやめてください、歩きスマホはやめてください、というルール・お願いについては破られるのが日常茶飯事。一方で、マスク着用は厳しい運用状況下にある。結局、全て「空気」が決めるのだ。

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日本野球機構(NPB)は「マスク着用・声出し応援不可」を2023年シーズンにも適用させた。これに影響しているのが、斉藤惇コミッショナー(83)というコロナ脳のトップと、軍師たる三鴨廣繁医師を含む新型コロナ対策会議の専門家チームの考え方だ。

彼らは「とにかくプロ野球でクラスターを出してはマズい」という判断からマスク着用義務化と声出し禁止を決めた。ファンの満足度など考えてはいない。「どうせ満席になるから関係ねぇ」とばかりに、このルールを客に押し付けている。

冒頭でも紹介したが、「ついにここまで狂ったか」という事態が発生。10月28日に開催された将棋の第81期名人戦A級順位戦の佐藤天彦九段(34)と永瀬拓矢王座(30)戦で、佐藤九段がマスクを30分着用しなかったということで反則負けとなった。永瀬王座が運営側にその旨を伝え、この決着となった。

永瀬王座は「こちらは息苦しくて思考が邪魔されるのに相手はマスクをしていなくてズルい」と思ったのかもしれないが、だったら2人揃ってこのバカルールに反対し、マスクを外して対局すれば良かったのである。よっぽど永瀬王座は勝ち目がないと感じたのか、と訝しく思ってしまう。あるいは永瀬王座がとんでもなくコロナを怖がっていたのか。

 

悲しいのは、佐藤九段を反則負けとする将棋連盟のアホさ加減だ。将棋なんて飛沫を飛ばし合うことはないだろうに。柔道や相撲の方がよっぽど飛沫を飛ばし合う競技なのに、選手はマスクなんかしていない。

もはや効果よりも何よりも、「マスクを着用するかどうか」「ルールに従うかどうか」が重要視される異常な世の中になっているのである。

そもそもマスク着用は「任意」「推奨」「お願い」であり、法律よりも圧倒的に下に位置づけられるはずである。それなのにこうした法律以下のものが「空気」によって、最重要なものとされたのがコロナ騒動下の日本なのである。

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