2022.12.14

滋賀県河川敷で58歳母がバラバラ死体に…逮捕された30代娘が明かした「医学部9浪」の衝撃と母との確執

2018年3月、滋賀・守山市野洲川の河川敷で、両手、両足、頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見された。遺体は激しく腐敗しており、人間のものか動物ものかさえ判別が難しかったが、その後の捜査で、近所に住む58歳の女性のものと判明する。

女性は20年以上前に夫と別居し、31歳の娘と二人暮らしで、進学校出身の娘は医学部合格を目指して9年間もの浪人生活を経験していた。

警察は6月、死体遺棄容疑で娘を逮捕する。いったい二人の間に何があったのか――。

獄中の娘と交わした膨大な量の往復書簡をもとにつづる、驚異のノンフィクション。

「母という呪縛 娘という牢獄」(講談社)12月14日より発売

証言の矛盾

河川敷で発見されたのは、女性の遺体の体幹部だった。

女性の身元を特定するため、守山警察署は現場付近の聞き込み捜査を開始したが、直後から、現場から370メートル離れた一軒家に住む一人の若い女性が、捜査本部の目を引いていた。

遺体が発見された滋賀・守山市野洲川

髙崎あかり(仮名)、31歳。医科大学の看護学科を卒業したばかりで、看護師としての勤務を間近に控えていた。

あかりは聞き込みに対し、3月15日の時点では「はい、母と二人暮らしです」と話していたが、翌日、再度聞くと、

「母はいま、別のところに暮らしていて、ひとり暮らしです」

と話を翻した。さらに近隣の聞き込みを重ねた結果、あかりの母・妙子(仮名)は、最近、ぷっつりとその姿が見えなくなっていることが判明した。

守山署は妙子に的を絞った捜査に着手する。妙子がふだん、よく利用していた近所のスーパーなど、立ち寄り先の防犯カメラの映像を収集して分析し、1月19日ごろから髙崎妙子の出入りがないことも分かった。

さらに、その後の捜査で髙崎母娘の生活ぶりが徐々に分かってきた。

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  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
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