「その日」は突然やってきた

詳しい組織検査の結果を待って、抗ガン剤治療を始める覚悟を決めた矢先、「その日」は突然やって来た

前日は、普通にお散歩もし、いつものように、ガツガツごはんを食べた。
オヤツをねだり、オヤツに目を輝かせ、食べ物をあさってゴミ箱を引っくり返す、いつも通りのこりきだったのだ。

だけど夜中に、急に嘔吐して体調が急変し、それから半日……。
あれよあれよというまに、駆け足で天国に行ってしまった。
昨日まで普通の日常を送っていたというのに、なんとまあ、急な旅立ちであったことか

亡くなる前日の夜も、いつもと同じように一緒に眠った 写真提供/折原みと

後からわかったことだが、どうやら、脾臓にできていた腫瘍は、悪性リンパ腫ではなく、血管肉腫だったようだ。
何かのはずみで、その腫瘍が破裂してしまったため、急変したのだろうとのことだった。
あまりにも突然の別れになってしまったが、血管肉腫は悪性度が高く、抗ガン剤治療もできなかったらしい。

治療方法もなく、長く苦しい思いをするよりは、前日まで元気で、パッと天国に行けたのは、こりきにとっては幸せだったのかもしれない

もすうぐ12才の大型犬は、人間にすれば70代後半。人間だって動物だって、ピンピンコロリは理想の最期にちがいない。
そう思って、私は自分を納得させた。

私が悲しいのなんて、どうだっていい。こりきの幸せの方が大事なのだ