2022.12.20

岸田政権の‟姑息なやり方”で本当に「防衛力の強化」と「財源の確保」が実現できるのか…自民党・公明党からの大量造反の可能性

唐突な意思決定ならではの危うさ

政府・与党は先週金曜日(12月16日)、防衛費をGDP(国内総生産)比で2%に倍増する方針を定めた防衛3文書を閣議決定するとともに、その安定財源を確保するために法人税、たばこ税、所得税の3税を増税するとした2023年度与党税制改正大綱をまとめた。

photo by gettyimages

それぞれ「戦後最大」と言ってよい大改革で、関係者や専門家は達成感に高揚しているようだ。筆者にも、そうした自画自賛の声が聞こえてくる。

しかし、国民の目から見れば、2つの決定はあまりにも唐突だ。というのは、岸田総理が防衛費を2027年度以降に毎年度4兆円増額する必要があり、歳出削減や剰余金・税外収入の洗い出しによって年3兆円ほどを確保するものの、それでも足りない1兆円強を増税で賄う必要があると明かしたのは、ほんの8日前の12月8日のことだったからである。

国民は国政選挙で判断を問われたわけでも、国会での与野党の論戦を聞いたわけでもなく、わずか8日間の政府・与党の密室の議論だけで、国の行方と身を切る増税を押し付けられた格好なのだ。

こうした姑息なやり方で国民的な議論を避ける、岸田総理の政策決定手法で、本当に、防衛力の強化と安定財源の確保ができるのだろうか。むしろ、その唐突な意思決定ならではの危うさが伴うのではないだろうか。

まず、自民、公明の税制調査会が決定した2023年度税制改正大綱に盛り込まれた増税の内容を見ておこう。

法人増税は、納税額に4%から4.5%を上乗せする「付加税」を課すというもので、年間7000億円程度の増収を見込んでいる。ただ、中小企業については2400万円相当分を税額控除するとしており、9割の企業が免除される見通しだ。

所得増税も、税率1%の新たな付加税を課すことで、年2000億円程度を確保するというものだ。その一方で、東日本大震災からの復興事業の財源となっている「復興特別所得税」の税率を1%引き下げて、現在2037年までとなっている課税期間を最大13年程度延長するという。つまり、2027年度までに限定すれば、家計の負担する税金は変わらないというのである。

 

3つ目のたばこ増税は、1本あたり3円相当の引き上げを段階的に行うものだとしている。こちらも年2000億円程度の財源になるという。

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