2023.01.06
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「言葉のセンスがある人」は何が違うのか?意識すべき「言葉の選び方」
「時代」と「教養」がポイント言葉のセンスは、生まれつきのものではない。誰にでも習得可能なものである。そう語るのは『教養のある人がしている、言葉選びの作法』の著者で言葉のプロ・齋藤孝先生。今回は言葉をセレクトするさいに意識したい「四象限」について、わかりやすく解説します。
言葉のセンスを磨くにはセオリーがある
最近、将棋の世界では棋士の藤井聡太さんの実力が抜きん出ていて、竜王、棋聖、王位、王将、叡王と最年少で5冠を獲得し、話題となっています(2023年1月現在)。
彼は、言ってみれば、「将棋のセンスが飛びぬけていい」ということになります。

将棋がうまくなる、将棋のセンスを身に付けるためには、まず「定跡」を知ることが大切です。
将棋の駒の動かし方については、飛車の前の歩を突くとか、角の斜め前の歩を動かし、軌道を確保するなど、一定の決まりごと、定跡があります。そうした定跡を積み重ねていきながら、実戦の中で最善の一手を導き出すーー。
棋士ともなれば何十手先まで読みます。これまでの定跡を踏まえながら、何十手も先まで読み、新手、妙手を探り出していくのが棋士です。そうした中で、数々のタイトル戦で、対戦相手や見守る棋士たちが思わず唸る、卓越した一手を繰り出している藤井聡太棋士のセンスは、やはり尋常ではないということになります。
この点は、言葉もよく似ています。
こういう場合はこの語彙を使い、こうした言葉遣いをするといったルールを覚え、それを論理的に組み立てながら、文章化したり、会話に取り入れたりする。状況に合わせて言葉をセレクトする、定跡に似たセオリーというものがあるのです。それを積み重ねていきながら、文章作成能力を磨いていきます。