この一年を振り返りながら、2022年も「FRaU SDGs AWARD」を実施しました。 今年FRaU本誌、FRaUwebでご紹介した、よりよい社会、地球を目指す素晴らしい事例の数々から、みなさんにもっと知って欲しいアクションを顕彰。 受賞に輝いた6つの取り組みと、ノミネート企画をご紹介します。

「FRaU SDGs AWARD」とは
2018年、女性誌として日本で初めて一冊丸ごとSDGsを特集した号を刊行して以来、FRaUは国内外の数々の事例を発信してきました。「FRaU SDGs AWARD」では、1年間にご紹介した取り組みから、特に高く評価するアクションを顕彰。顕彰とは、隠れた善行や功績を世間に知らせて表彰すること。そのSDGs的意義を多くの人に伝えることで、 SDGsに対する理解の促進を目指します。
<GOLD賞>会社を辞め24歳で起業。東北・気仙沼から漁網のアップサイクルを

[企画名]
「気仙沼で、南三陸で、田村で...... 20代の若者たちの『東北新規 ビジネス』支える『地元の力』」
[受賞] 加藤広大(amu株式会社代表)
[掲載] FRaU web
加藤広大さんは、東日本大震災から4年が過ぎた2015年、ボランティアとして気仙沼 の唐桑半島を訪れた。それを機に、仲間とともに震災からただ復興するのではなく、新しい気仙沼の魅力を生み出すための活動を始めた。そのひとつが、海洋プラスチックごみのうち約30%を占める漁網の処理だった。不要になった漁網を回収し、素材として商品化するアップサイクルビジネスを思いついた加藤さんは 、勤めていた会社を辞め24 歳で起業した。
<SILVER賞>なぜ地球温暖化は進んだ?脱炭素社会とは?気候変動と脱炭素社会における疑問にアンサー。

[企画名]
「きちんと知りたい 気候変動と脱炭素社会。」
[受賞] 江守正多(国立環境研究所)
[掲載] FRaU 2022年1月号「FRaU SDGs 世界を変える、はじめ かた。2022」(2021年12月発売)

脱炭素社会に向け、世界各国の動きが加速。なぜ脱炭素を目指すのか。なぜ地球温暖化は進んでしまったのか、今こそ、環境問題をきちんと知る必要がある。そこで、気候変動により今地球で起こっていること、そしてそれに伴う人間の責任についての基本を含め、国立環境研究所の江守正多さんに、グラフィックデータを用いて、誰にでも分かりやすく解説いただいた。
<SILVER賞>地域社会、生産者とつながる。地元食材を生かしたお弁当を販売。「地域の食材を使おうプロジェクト」



[企画名]
「みんなで一緒にできることを。 セブン&アイグループのアクション。」
[受賞] 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
[掲載] FRaU 2022年8月号「FRaU SDGs TAKE ACTION この星と私のために、いまできること。」( 2 0 2 2 年 6 月発売 )
セブン&アイ・ホールディングスは、コロナ禍による学校給食の停止、外食需要の減少をはじめ、消費の低迷が引き起こした食品ロス問題を解決すべく、全国の自治体と連携し、「地域の食材を使おうプロジェクト」を発足。ご当地食材を生かしたお弁当を、エリア別に限定発売。同グループは、地域社会、生産者とのつながりを深めながら、さまざまな課題に立ち向かっている。
<BRONZE賞>京都からごみゼロ社会を目指す。ゼロ・ウェイスト・スーパー

[企画名]
「日本初のゼロ・ウェイストな スーパーマーケット。」
[受賞] Totoya
[掲載] FRaU 2022年1月号「FRaU SDGs 世界を変える、はじ めかた。2022」(2021年12月発売)
京都から世界に向けてゼロ・ウェイストな暮らしを提案する「斗々屋」は、日本初のゼロ・ウェイスト・スーパー。使い捨ての容器やレジ袋はなく、持参またはレンタルした容器を利用し、 量り売りで欲しい分だけ購入できる。生鮮食品、調味料、お菓子から洗剤、シャンプーまで、衣食住にまつわる700品目が揃う。生鮮食品は鮮度が落ちる前にお惣菜にして提供する。
<BRONZE賞>カフェスタッフから事務作業まで。障がいを持つ人の働く場づくりを行う

[企画名]
「自閉症の娘とアスペルガーの息子を持つ シンママが障がい者就労カフェを作るまで」 ほか
[受賞] 長浜光子(特定非営利活動法人「はぁもにぃ」代表)
[掲載] FRaU web(なかのかおりさん執筆記事)
カフェ運営のほか、農業や養蜂業、お菓子の製造、事務作業などをはじめ、障がいを持つ人の働く場づくりを行う 「はぁもにぃ」。長浜光子さんは、自閉症の娘とアスペルガーの息子を持つ母。2008年に、放課後の余暇活動支援の場として児童デイサービス(現・放課後等デイサービス)を始めた長浜さんは、「同級生のお母さんはワーキングマザーが多く、保育士やヘルパーの資格を持つ人もいました。まちなかの福祉を目指して、入れるお母さんたちが働きました。親と支援学級の先生とでは、思いが違うんですよね。親は障がいや福祉に関心があったわけではなく、自分の子に障がいがあると知った瞬間は絶望する。幸せな未来は描けない。でも、だんだん特性のある我が子がふつうの存在になって、豊かな世界を持っていると気づきます。地域の中で、それを知ってもらいたいと思うようになりました」と語る。
<BRONZE賞>「いつか畑を持ち、自分と家族が食べられるだけの野菜が収穫できたら」フードロス問題の延長で、農業を学ぶ

[企画名]
「高橋メアリージュンが結婚の固定観念から 解放された今、本気で農業を学んでいる理由」
[受賞] 高橋メアリージュン
[掲載] FRaU web(上田恵子さん執筆記事)
ドラマ、映画で大活躍の高橋メアリージュンさんは、「いつか自分の畑を持ち、自分と家族が食べられるだけの野菜を収穫できたらいいな」と語る。あるマルシェで規格外野菜の存在を知ったのを機に、農業に関心を 抱くように。忙しい仕事の合間をぬって農業を学び、畑で有機野菜を育てる。自分らしく生きる今、結婚願望に縛られていた過去を振り返る。