ペンライトが普及する前は、懐中電灯だった?
ペンライトとは、狭義にはペン型の懐中電灯のことを指します。例えば、医師が患者の喉の様子や観察するときに使う、先端だけが光る細身の懐中電灯です。昔の懐中電灯は豆電球を光源としていましたが、LEDが普及したことで、デザインや用途が広がりました。
コンサートに懐中電灯を持ち込んだのは、1974年夏、大阪球場で開催された西城秀樹さんのコンサートだと言われます。コンサート前日のラジオ番組で懐中電灯を持ってくるように呼びかけたところ、多くの観客が家庭用の懐中電灯を持参し、観客席がまるで夜空のように、星が瞬くような美しい光景が広がりました。これを一つのきっかけに、コンサートやライブ会場の演出に懐中電灯が取り入れられるようになり、イベント用のペンライトへと発展しました。

2012年の紅白歌合戦で、ソニーエンジニアリングが開発した「FreFlow(フリフラ)」が使用され、無線制御型ペンライトが注目されるようになりました。社会全般のデジタル化が進行しているように、ペンライトもデジタル化によって、ライブ会場などで使われるペンライトの色を運営側が制御することが可能になり、新たな演出方法が試みられるようになっています。
無線制御型ペンライトを利用するときは、ライブ前にスマホアプリをインストールし、アプリとペンライトを連携させます。公演や会場の座席を入力すると、座席に合わせた演出データがペンライトに送信され、ライブ中の特別な演出に参加することができます。関ジャニ∞の「ERライト」も無線制御型なので、従来のペンライトよりも割高ですが、無線制御型としては価格が高すぎるわけではありません。

ジャニーズでは嵐が2015年のライブツアー「ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism」で、無線制御型ペンライト「絶好調超!!!!ライト」を導入しました。価格は2300円。無線制御型の技術は年々向上しており、最新のペンライトでないと、無線制御が完全に反映されないため、2020年にライブツアーを休止するまで、新しいオフィシャルペンライトが発売されました。