橋下・馬場が狂奔した【維新】「銭ゲバ」分裂騒動の一部始終を暴露する…なぜ彼らは脱退したのに政党交付金に執着したのか
連載「維新戦記」第6回中条きよし騒動で思い出したこと
2022年11月15日、日本維新の会の中条きよし参議院議員が、文教科学委員会で自らの新曲とディナーショーの宣伝をして世間の顰蹙を買いました。私はこのニュースを聞いたとき、「さもありなん」と求められたコメントに答えました。
この連載「維新戦記」第5回で記した7年前の維新分裂騒動においても、橋下徹氏、馬場伸幸現代表を始め維新の面々は、「身を切る改革」という表看板とは裏腹に、ひたすら「銭ゲバ」に狂奔していたからです。中条氏がそれを見習ったのかと思えば「さもありなん」です。
4人だけを「維新の党」に残して
2015年10月24日、維新の「大阪組」287人の特別党員による偽りの「臨時党大会」で馬場氏を維新の党の代表に選任したと一方的に宣言すると、「大阪組」の執行部はさらに驚愕の行為に出ます。翌27日に政治資金規正法、政党助成法に基づく変更届を出し、凍結されている維新の党の口座とは別の、自分たちが作った新たな口座に、政党交付金を振り込ませようとしたのです。
ところがその一方で、11月2日には「大阪組」は橋下徹氏を代表とする「大阪維新の会」を設立し、何と287人中283人は早々と維新の党を離脱し、そちらに移ってしまいました。
馬場氏、東徹参議院議員ら4名だけが維新の党に残り、「俺たちが(既に大阪維新の会という別の政党に移ってしまった)287人に選ばれた正当な代表だから、俺達の口座に政党交付金6億6千万円を振り込め!」と、総務省に対して堂々と主張したのです。
私はあまりに奇怪なこの主張に対して、「拝啓 馬場伸幸 様 ~大阪のどこかで自分が代表だと叫んでいるあなたへ」と題したブログ記事を掲載しました。

「大阪組」は政党交付金の振込を総務省に求めていると、党本部で聞きました。当初、橋下氏が「政党交付金の国庫返納」と格好の良いことを言って世論を味方につけながら、馬場氏ら実働部隊にはあくまで政党交付金6億6千万を分捕らせようとする羊頭狗肉な「銭ゲバ」ぶりに呆れ返りました。
「いくらなんでも、総務省が橋下氏や大阪組の無茶苦茶な理屈を真に受けるわけがない。それ以前に、政党法人格付与法に基づく法人登記の代表者が松野氏になっている以上、総務省はただちに却下するだろう。手続き的に大阪組の主張が通るはずがない」と思っていました。
ところが実際に起こったことはまったく異なるものでした。この問題を所轄する総務省選挙部政治資金課長は、10月27日の「大阪組」の異動届を受け取ると、10月30日付で、維新の党東京本部に意見照会を求めてきました。維新の党東京本部がこれに回答を出すと、今度は11月11日付で「大阪組」に意見照会をしたのです。
これに対して11月16日、馬場氏名義で出された、非常に長々しく、不合理な論理が満載された文書が残っています。このリンクから全文がご覧いただけますので、ご興味ある方はご一読ください。
私は、この文書を見て、それまでのツイッターの文体等から、非常に高い確率で橋下氏が少なくとも原案の大半を作成したことが推認されると感じました。